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艶やかな天使の血族
3部 公人と私人
16話 迫るカウントダウン
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追われた。
 錚々たる顔ぶれのパイロットのセッティングをしたな。
 黒い三連星、真紅の稲妻ジョニー・ライデン。ロバート・ギリアム。ギャビー・ハザード。挙げるとキリがないね。それぞれが個性的なセッティングの持ち主で、注文も多い。それに応えるのが技術屋の仕事だから楽しいよ。彼らが生き残ってくれるならどんなセッティングだって出してあげるのが技術屋だ。それぞれにズバリと当てはまるセッティングを導くと嬉しく思う。私はやはり技術屋の人間なのだとわかる。
 私から願う事は1つ。
 生き残って欲しい。それだけ。生き残って、私のモビルスーツで戦って欲しい。君達にふさわしいモビルスーツを魂に賭けて作るから、生き残って欲しい。
 大体のセッティングはこれでできたな。後は細かな微調整だ。赤い彗星の機体は徹底的に微調整しないと。
 
「所で、あのマスコミ。何処のマスコミだったのかな?」
「恐らくズムシティタイムズかと」
「明日の朝刊に載るのかな?私達の写真」
「1面を飾るのでは?プロパガンダを兼ねて」
「戦意高揚ね。やる気満々だね」
 
 細かいデータをタブレット端末で観ながら、ため息をついたよ。思わず。そして計器類に目をいかせて、数字を打ち込む。
  
「まあ…今からそうでもしないと、国民はやってられないのだろうな。世間的には国力はジオン公国の30倍だ。競馬に例えるなら万馬券に賭けるような気分だね」
「でも……エリオット少佐は、その万馬券に賭けたと言えるのでは?モビルスーツの開発者たる、あなたからすれば」
「そうだね…。そっちに私は生命のチップを賭けたイメージだよ。当たれば万馬券、外れれば命はない。命がけの博打だね」
「その割には楽しそうですな」
「命がけの博打なんて、そうそうできないからね。死ぬか生きるかの瀬戸際なんて面白いじゃないか」
「エリオット少佐は意外なギャンブラーかも知れませんな」
「褒め言葉として受け取るよ。これで大体はセッティングは出来た。どうだ?」
「後、もう少し、細かい調整を頼みます」

 そうして、この日はほぼ赤い彗星の機体のセッティングに時間を充てて、1日を終えた。
 
 翌日。赤い彗星の言った通り、ズムシティタイムズにシャア・アズナブル大尉と私の写真が大きく1面を飾っていたそうで、アネットも驚いたようだ。
 
「ねぇ、ママ!パパが新聞に載ってる!」
「随分と大々的に扱われているわね。赤い彗星の機体のセッティングを担当ねえ…」
「エリオットさん、やっぱり仕事の顔はかっこいいです」 

 そんな世間の噂など気にする必要もない私は、今日はギレン・ザビ閣下直属の部隊へとMS-06S型の受け渡しに赴いた。
 ここでも名だたる名パイロットのセッティングを担当したよ。
 エリック・マンスフィールド少佐と
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