3部 公人と私人
15話 パーティの夜
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ベスト姿の上着に腰には装飾用の布を巻く。まるでサテンのような手触りの装飾品だった。左腰を隠し、下半身の細いズボンもネイビーブルーだった。
「よく考えたな。こんなデザイン。まあ上着がベスト姿というのは珍しい」
手渡された物にはオートマチックの拳銃まであった。自分自身の身の安全は自分自身で守れという事か。安全装置を確認して、腰の帯に着けた。きちんと拳銃を着ける場所まであるとはなかなか機能的だと思った。
最後に櫛で軽く銀髪をとかすと鏡を覗き込み軽く頷いてパーティ会場へと向かった。途中で見知った顔に会う。彼はブレニフ・オグス少佐ではないか。オグス少佐はジオン公国軍の軍服姿で来ていた。
「やあ、エリオット少佐」
「オグス少佐。あなたも来ていたのですか?」
「上層部の命令でね。君こそ何故ここに?」
「私もジオニック社の専務の命令だよ」
「今夜はパーティと聞くが、ジオン国防軍とジオニック社とのパーティって」
「でも…何故かな。さっきから胸騒ぎがしてならない。今夜のパーティ。何か起こるのでは?」
「確かに。臭うな」
廊下を歩く2人はパーティー会場入りを果たす。パーティ会場は華やかな雰囲気だ。カクテルドレスの女性。タキシードの男性。イブニングドレスの女性。様々な関係者が来ている。
やがて、パーティが始まる。
エリオットもオグス少佐も軽くカクテルを傾け、和やかに話に花を咲かせる。
だが。突然。
ガシャーン!!
ガラスが叩き割られる音と共に電源が落ちた。辺りは騒然とする。
エリオットもオグス少佐もテーブルを盾に身を隠した。彼らは拳銃を持ち、様子を伺う。
「なに!?」
「何が起きたの?!」
「御婦人方はテーブルに隠れてください!下手に動かないで!」
オグス少佐が周りの兵達に指で指示を出す。そして、突然、パーティに侵入してきた敵と戦う事になった。
「このジオン公国の売国奴達め!お前らをここで皆殺しにしてくれるわ!」
「ダイクン派の過激派か!」
エリオットも拳銃を手に聞き耳を立てる。
覚悟を決めておけとは、今回はこの意味か。確かに覚悟は決めてないと、無傷では帰れないぞ。
エリオットはオグス少佐に目を向ける。
互いに頷いて、そしてそこは銃撃戦のパーティとなった。
「殺せ!」
「くうっ!」
ガラスの欠片が容赦なく襲いかかる。
彼らは身を守りながら、テロリストと戦う。オグス少佐もさすが射撃ともなるとプロだった。戦い馴れしている。銃弾が飛び交うなか、エリオットも応戦している。
ガラスの破片が飛び交う。するとエリオットの左頬を破片が切った。血が流れる。
「チッ…!かすったか」
その間にもオグス少佐と他のジオン兵たちにより、テロリスト集団が次から
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