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レーヴァティン
第二百十話 北西へその三

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「さて、街を見るとな」
「見事な街並みですね」
「実に栄えていますね」
「敵がそこにいても商いをしていて」
「道も港も人が多いですね」
「戦でも商売に精を出していますね」
 同船している将帥達も街を見下ろして述べた。
「港の船も多く」
「常に行き来しています」
「見事な賑わいです」
「この商業は見事ですね」
「この街も丸ごと出に入れたいな」
 一切傷付けることなくというのだ。
「そうしたいな」
「帝国に大きな利益をもたらします」
「そのことは間違いありません」
「だからですね」
「是非ですね」
「戦によらないでな、しかし守りは固いな」
 久志は今は空船をかなり高く上げて街からの対空攻撃が届かない場所にいる、そこから望遠鏡を使って下を見下ろしているのだ。
「要塞程じゃないけれどな」
「かなりのものですね」
「この堅固さがあるので商いも続けていますね」
「我々が来ても」
「ああ、攻められてもな」
 そうなってもというのだ。
「防げる」
「その自信がある」
「それ故にですね」
「今もそうしていますね」
「ああ、しかし街はそうでもな」
 久志は街を見つつ話した。
「街から離れるとどうか」
「そうですね」
「ハンブルグ自体の守りは堅固でも」
「それでもですね」
「その外はですね」
「ああ、しかも人の往来も変わっていない」
 街を出入りしている商人達を見ての言葉だ。
「だとするとな」
「ここはですね」
「工作員に商人の変装をさせて」
「そうして遠くから街に向かい」
「入りますね」
「入国許可証も必要にしてもな」 
 それでもというのだ。
「ここはな」
「はい、それもですね」
「もうありますし」
「それを使いますね」
「そうしますね」
「それかこれから入る商人を買収してな」
 帝国に組み入れてというのだ。
「工作員をつけてな」
「そしてですね」
「街に入り」
「城門を中から開けさせる」
「そうしますか」
「両方で仕掛けるか、もう許可証も手に入ってるしな」
 ハンブルグに入るそれはというのだ、街の外にいたハンブルグに出入りしている商人から一時金を払って借りているのだ。
「それを使うな」
「はい、それでは」
「早速仕掛けましょう」
「工作員をその二つのルートで街に潜入させ」
「そして中から門を開け」
「入城しましょう」
「そうしましょう」
 周りの者達も頷いた、そうしてだった。
 久志はすぐに策を実行に移した、商人に化けた工作員を直接潜入させ抱き込んだ商人の一向に紛れ込ませて。
 多くの工作員を街の中に入れた、そしてある夜。
 城の門番の者達を術で眠らせてから門を開いた、これは強力な術の使い手を多く潜入させていたから出来た。
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