特別編 追憶の百竜夜行 其の四
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かないぞ!」
「……本っ当、呆れた人」
アオアシラとは比にならない戦力を持つバサルモスなら、確かにリオレイアの火力にも対抗できるかも知れない。だが、数分前まで死に掛けていたにも拘らず、すぐさま戦線に戻ろうと走り出していくウツシの姿には、エルネアも呆れ顔になっていた。
「……ふふっ」
だが、それはそれで彼らしいとも言える。元気じゃないよりは、余程いい。やがてその結論に至ったエルネアは、微笑を浮かべながらモンテベルデを背中に回すと、ウツシを追うように走り出していく。
◇
その頃、シン達の近くでは別のハンター達が大型モンスターの対処に奔走していた。柵を破ろうと暴れ回るプケプケを仕留めるべく、3人の「新人」がその巨体を包囲している。
「俺の乱舞、見せてやるぜッ!」
「閃光玉を使う……! 攻める時は、今ッ!」
先陣を切っているのは、フラムエルクルテIを振るうドラコ・ラスター。ゴシャシリーズを纏う彼は溌剌とした叫びと共に、双剣を手に毒妖鳥と渡り合っていた。
彼と同じ双剣使いであるカエデも、閃光玉を投げた直後にフルージェントダガーIを引き抜き、プケプケに飛び掛かっている。カガチシリーズに袖を通している彼女は、眩い輝きに翻弄される毒妖鳥を狩るべく、その二振りの刃をかざしていた。
「閃光玉、ありがとうございますカエデさん! はぁあぁあッ!」
混乱状態にあるプケプケを一気に仕留めるべく、ベリオシリーズで全身を固めているゴウも、無防備な毒妖鳥の頭部にシルムズブレイドIを振り下ろしていく。
その巨大な刃を眉間に沈められたプケプケは、さらなる狂乱状態に陥ると、無軌道に尾を振り回し始めていた。
カエデとゴウは咄嗟にその気配を察知して回避したのだが、深追いしていたドラコだけは反応が間に合わず、毒妖鳥の尾が顔面に直撃してしまう。
「ぐぅッ!」
「ドラコさんッ!」
「ドラコ……!」
「……よえーな。前に戦ったゴシャハギの方が強かったぞ」
ゴウとカエデが声を上げる中、ゴシャヘルムを破壊され宙に舞い上げられたドラコは――地を転がりながらも不敵な笑みを浮かべ、すぐに立ち上がっていた。
ゴシャハギの強力な個体とも戦ってきた彼にとって、この程度のダメージなど無問題なのである。頭部の防具を失い、燃えるような赤髪と左眼の傷跡を露わにされても、ドラコの眼に恐れの色はない。
ようやく混乱状態から復帰したプケプケは、1番弱っているハンターから始末してやろうとドラコに狙いを付けるが、その頃には彼も愛用の双剣を手に、毒妖鳥の懐へと飛び込んでいた。
「踊ろうぜ……フラムエルクルテッ!」
「……ゴウ。私は動きを止めるから、強力な一撃はあなたに任せる」
「分かりました! 俺も、全力で行きますッ!
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