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モンスターハンター 〜故郷なきクルセイダー〜
特別編 追憶の百竜夜行 其の二
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め切るには「火力」が足りない。そんな新人達の懸念を払拭したのは、翔蟲を操り空から飛び込んできた、1人の大剣使いであった。

「まだまだそいつを狩るには火力が足りないでしょ!? ここはアタシも混ぜなさいッ!」
「カグヤ!? お前、翔蟲が使えるのか!?」
「ふふーん、さすがのアダイトもびっくりしちゃうでしょ! 日頃の修行の成果ってヤツよ!」

 好戦的な笑みを浮かべ、アダイト達の前に舞い降りてきたのは、ミツネシリーズの防具を纏う少女――カグヤ。カムラの里からも地理的に近いところにあるという、ユクモ村を拠点に活動していた彼女は、翔蟲の扱いも村の伝承から学んでいたのだ。
 かつてアマツマガツチを倒し、ユクモ村を救ったという英雄を目標に、修行に明け暮れていた彼女の背には今。猛者の証である、ヒドゥンブレイズIの刀身が輝いている。

 大剣使いも加わった今、アダイト達の火力はさらに盤石なものとなり。ようやく、リオレイアとの戦いにも光明が見え始めていた。

「くッ……! 俺の太刀から逃げ切るかッ……!」

 しかし、敵はそれだけではないのだ。最前線で戦っているフゲンでさえも取り逃がしてしまった強力なモンスター達は、今この瞬間もリオレイアの対処に追われているアダイト達を素通りして、一気に里まで迫ろうとしているのである。

 里守達も必死にバリスタを撃ち続けているのだが、やはり急造の兵器では火力が足りないのか、決定打を与えられないまま侵攻を許す一方となっていた。だが、レノ達はそのモンスター達を気にすることなく、リオレイアのみに狙いを定めている。

「ま、まずいぜ! この先にはいくつかの柵があるだけで……もうバリスタがないんだ! このままじゃあ、すぐに里まで突破されちまうッ!」
「狼狽えるな里守達よ! この場に馳せ参じたウツシの同期達は、我々だけではないッ!」
「えっ……!? ど、どういうことだよカツユキ。あんた達の他にも、来てくれた奴らがいるのかいっ!?」
「そうだ! ここを抜けて行った連中なら、私達の仲間が必ず止めてくれる。お前達は余所見などせず、直ちにリオレイアの牽制に掛かれ! こいつを倒さねば、いずれにせよ里は火の海だッ!」
「お、おう! そういうことなら、信じるしかねぇな! 援護射撃なら任せといてくれよ、(アネ)さんっ!」
「誰が姐さんだ!」

 カツユキとレインが言う通り、すでに他の同期達は途中にあるいくつかの柵の前に陣取り、迎撃体勢に入っている。レノ達がアダイトの前に現れた頃にはすでに、彼らは動き出していたのだ。
 睨み合うリオレイアとアダイト達を置き去りにしながら、他の大型モンスター達は群れを成して、「百竜」の如く里の方角へと猛進している。それを阻止できるのはもう、その先に待ち構えているハンター達しかいないのだ
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