第六十五話 心配していてその二
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「された人にとっては今だってこともあるのよ」
「五年も前じゃなくてですか」
「生々しい今だってね」
「五年も経っていてもですか?」
「高校時代ずっと言われておみちが大嫌いだって言って卒業証書もようぼくのものも全部返す位だったのよ」
そこまでする様な酷い目に遭ってというのです。
「もうおぢばどころか教会にも布教所にも寄らないって言って」
「もう大嫌いになったんですね」
「そこまでのことになったから。高校一年の時も怒られたし」
当時の三年の人達にそうされたのは聞いています。
「物凄くね、その時に気付いたけれど」
「そのことよくお話されますよね」
「忘れられないことだから」
先輩にとってそうしたことだからだというのです。
「だからよくお話するの、ちっちにもね」
「そうなんですね」
「ええ、自分が言ったことは戻らないし」
「したこともですね」
「戻らないから」
だからだというのです。
「私もよく言うの」
「このお話の時にですね」
「その時智ちゃんが告白されてね」
「佐野先輩だったんですか」
「あの娘も相手の子を傷付けることかなりしたけれど」
「そのこともですか」
「全く見ないであの娘と一緒に相手の子凄く攻撃したら」
下校の時に校門のところで何人かで待ち伏せして聞こえる様に陰口を言ったり神殿の西の礼拝堂で階段の上から罵ったりしたことなのはわかりました。
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