第九幕その五
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「そうしてもね」
「そうですか」
「そう、だからね」
「豆の木でお空に行くこともですね」
「やっていったらいいわ」
「わかりました」
「ではね」
オズマはあらためて言いました。
「これからね」
「はい、あらためて」
「果樹園のお仕事を楽しみましょう」
市場から帰って将軍に種を渡してからでした。
オズマもカルロス達も収穫のお仕事に入りました、この日はスウィーティーやネーブルの収穫が多かったです。
その収穫を見てでした、アン王女は言いました。
「柑橘類もいいわね」
「王女はそちらも好きよね」
「ええ、オレンジや蜜柑も好きでね」
お隣にいるドロシーに答えました。
「そしてね」
「柑橘類もよね」
「好きなの」
「やっぱり果物は何でもなのね」
「嫌いな果物なんて」
それこそというのです。
「思い当たらないわ」
「そうよね」
「このスウィーティーも」
手に取ってドロシーに言いました。
「かなりね」
「好きで」
「そう、今日食べるのが楽しみよ」
「そうなのね」
「ただね」
「ただ?」
「ライムをそのまま食べることはね」
この果物はというのです。
「あまりしないわ」
「すっぱいからよね」
「ジュースにして飲むわ」
「そうなのね、そういえばネルソンさんがね」
「ああ、イギリスの提督だった人ね」
「あの人がラム酒にライムを絞ったお汁を入れて」
そうしてというのです。
「飲まれているわ」
「そうなのね」
「あれっ、ネルソンさんもですか」
カルロスはドロシーと王女のお話を聞いて尋ねました。
「オズの国におられるんですか」
「ええ、そうよ」
ドロシーはカルロスに微笑んで答えました。
「あの人もね」
「オズの国におられるんですね」
「今はね」
「そうなんですね」
「右目と右手もあるわよ」
「そうそう、あの人戦争で右目と右手がなくなったんですよね」
「けれどオズの国ではね」
この国に入ってというのです。
「戻ったのよ」
「そうなんですね」
「それでイギリス海軍ではね」
ネルソンさんのいたこの軍隊ではというのです。
「ラム酒にライムのジュースを入れて」
「そうしてですか」
「飲んでいたのよ」
「そうでしたか」
「だからね」
それでというのです。
「ライムもね」
「そうして口にすることが多いんですね」
「ジュースにしたりね」
「私もそうして口にしているし」
王女がまた言ってきました。
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