2部 銀髪の悪魔
12話 郵便配達は二度ベルを鳴らす
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ネットも俺に抱かれたい時は生理が近いからだと説明していた。で、何故なのかと聞いた。野暮だと想ったけど、説明してくれた。
女性は生理が近くなると、妊娠しづらい体になるので自然とセックスしたいと思うとか、後は子孫を残す本能が働いてやりたくなる時もある。そんな感じ。まあ、後は俺が好きだから気持ちを確かめたいと。
じゃあ、俺がしたくなる時はと聞かれると返答に困るのだ。1つは確かに妻の体温が恋しくて触れ合いたいという気持ちと、単純に男性としての欲望は確かにある。否定はしない。俺も男だし。性に関する欲望くらいは持っているさ。
ジオニック社にも美女はいるし、いい女を見れは結婚していたって一度や二度はしたいなぁと思う。実際にするかは別として。
水菜との関係も単純に男性として欲を感じたから及んだのは間違いない。だが。どうもそれだけじゃない。あのキスで吹き込まれたのは魔力だった。まさに虜になるというものだ。一体、彼女は何者なのだろう…?
レム家の人間だからわかる何か?
ミカエルもそれを感じたから、手放そうとしなかった。説明はつくか。
とりあえずは要らぬ詮索は抜きにして彼女と楽しむ。それがいい。
俺はゆっくり起き上がると、また黒いインナーと下着とスボンと薄いシャツを纏う。彼女も服を纏う。そして今夜の情事はここまでにした……。
だいぶ汗が出ているな。シャワーを浴びた方が良さそうだ。
「ふうっ……。今夜の情事はここまで…。だいぶ宵も更けたし、部屋に戻った方がいい。お互いにね…」
「でも……だいぶ収まりました……。しばらくは大丈夫だと思います…。エリオットさん」
「……今度はいつかって話かな…?だいぶ、こちらも欲望は埋まったからね。しばらく禁欲してもいいくらいだよ。まあ…お互いに疼いたらにしようか?」
「合図は?」
「合図ねえ。俺の書斎に入る時のノック4回。あれを合図にしよう。俺も君の個室に合図する時はノック4回。それがお互いの合図でいいかな」
「昔の映画みたいですね」
「昔の映画」
「郵便配達は二度ベルを鳴らす。聞いた事ありませんか?」
「ああ、あれね。異様に興奮するシチュエーションには違いないかな」
「とりあえず今夜はもうおやすみ。俺も寝るよ」
「わかりました…おやすみなさい…エリオットさん」
「良い夢を」
水菜はそうして俺の書斎から出て行った。
シャワーを浴びて、俺も寝るかな。
まだ、俺の頭の中は朦朧としているよ。
余りの快楽を味わって……。
ふと時計を見たらもう午前2時だった。
「……夜ふかししたな……」
深いため息をして、壁に寄りかかる。
「郵便配達は二度ベルを鳴らす……か」
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