第5節「砕けたシンフォギア」
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型タイプ、ヒューマノイドノイズ。
かつてのオタマジャクシ型に似た姿だが、胴体の下に鎌状の腕を持つイモムシ型タイプ、クロールノイズ。
これまで見た事のない形をした新種、パイプオルガン型のギガノイズ。
別位相の空間に存在したプラント『バビロニアの宝物庫』と、コントローラーであった完全聖遺物『ソロモンの杖』は既にこの世にない。もう二度と遭う事もないと思われていたそれらが、再び姿を現したのだ。
だが、人類だけを殺す為に造られたノイズといえど、シンフォギアの敵ではない。
元々シンフォギアは、ノイズに対抗する為に開発された兵装だ。装者自身のコンディションに不調のない限り、傷一つ付けることはできないのだ。
「どんだけ出ようが……。今更ノイズッ!負けるかよぉッ!」
「クリス、油断はするなッ!こいつら、俺達が知ってるノイズと何処か違う……」
余裕の表情で自慢のガトリングを連射するクリス。
だが、純は今戦っているノイズに対して、何処か違和感を覚えていた。
確かに見た目こそ、見慣れた姿に酷似しているが……かつて何度も対峙したノイズと、外見に細かな差異が見受けられるのだ。
その際たる違いに気付いた時、純の表情に焦りがさした。
(人型の両腕にロール状、イモムシ型の腕に鎌、そして──)
ギガノイズがパイプオルガンを思わせる器官から、他の2種の腕に存在する器官と同じ、白く発光する弾丸を射出する。
直感的に触れてはいけないと感じた純は、弾丸を躱し、着弾する瞬間を確認する。
着弾した瞬間、純の背後にあった堤防に穴が空き、コンクリートは赤い塵となって分解された。
(こいつはさっきの……やっぱりこいつら、これまでのノイズと違うッ!)
純がそれに気付いた時、ノイズの魔の手はクリスへと迫っていた。
ヒューマノイドノイズが、その両腕に巻かれたロール状の器官を、クリスに向けて振り下ろしたのだ。
器官は鞭のように靱やかに振るわれ、先端を尖らせて刺突する。
「ダメだ、避けろクリスッ!!」
「たかがノイズの攻撃ごとき──ッ!?」
異変が起きたのは、その時である。
ノイズと接したクリスのガトリングが……赤い塵を巻き上げながら分解され始めたのだ。
「なん……だとッ!?」
白い器官はすぐにガトリングを貫通し、ギア胸部に位置するコンバーターを傷つける。
「ノイズだと括った高が、そうさせる」
いつの間にか現れたレイアは、こうなる事を読んでいたかのように呟く。
そして次の瞬間、クリスの纏うシンフォギアが、ゆっくりと粉々に砕け始めた。
「あたしの──イチイバルがッ!」
「シンフォギアが……砕ける……ッ!?」
ff
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