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戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第5節「砕けたシンフォギア」
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「行け、マリィッ!!ここは任せろッ!!」
「頼むわよ、ツェルトッ!」

そう言ってマリィは翼を連れ、タクシーに乗り込んだ。

「悪いが翼は好きにさせてもらうッ!」

アクセル全開で走り出したタクシーは、あっという間に遠ざかっていった。法定速度を軽く無視した速さ……警察の世話にはなるなよ?

「さて……どうしたものかね」

と、俺はエントランスから無事に出てきた黒服達を見て呟く。

この人数相手に暴力沙汰は無理あるし……ダメ元で説得するしかないか。
せめてコーヒー1杯分の時間くらいは稼いでみせるさ。インスタントじゃなくて、ドリップのな。

ff

純とクリスはエルフナインを連れ、レイアと戦ったマンションの敷地から移動していた。

今いるのはマンション付近の橋の下、コンクリートで固められた河川敷だ。

「なんだって!?響と翔がやられた!?襲撃者に!?」

友里からの通信に、クリスは驚愕する。
戦闘時の連携において、クリスと純に引けを取らない二人だ。今戦っている相手がどれほど強敵なのかが、嫌でも理解できてしまう。

『翼さん達も撤退しつつ、体勢を建て直してるみたいなんだけど……』
「錬金術ってのは、シンフォギアよりも強ぇのかッ!?」
「こっちにも252(要救助者)がいるんだ。ランデブーの指定を……ッ!?クリス、上だッ!!」

頭上からの攻撃に気づき、純は咄嗟に前方へと身を投げ、前転する。
クリスもエルフナインを抱えて飛び退くと、次の瞬間、先程まで立っていた場所が爆発した。

「何だ……こいつは……」
「コンクリートが……分解されている……?」

着弾地点に空いた大穴から、煙の代わりに立ち昇っているのは赤い塵。
更に、穴の淵は赤く発光し、コンクリートだったものがチリチリと崩れ、モクモクと立ち昇る赤い粉塵へと変わっていく。

ただの攻撃ではない。純はそう直感した。

そして、その襲撃者達は──

キュピッ キュピキュピッ

懐かしい雑音(おと)を鳴らしながら、ゾロゾロと並んで姿を現した。

『クリスちゃんッ!純くんッ!』
「わかってるって」
「こっちも旧友と鉢合わせ中だッ!」

通信によると、どうやらイギリスの翼とマリアの前にも同じものが現れているらしい。

『反応波形合致ッ!昨夜の未確認パターンはやはり……』
『ッ……ソロモンの杖も、バビロニアの宝物庫も、1兆度の熱により蒸発したのではなかったのかッ!』

目の前に現れたそれらの名は、認定特異災害“ノイズ”。
かつて何度もシンフォギア装者達と戦い、去年の秋、フロンティア事変の終息と共にこの世界から根絶されたはずの、対人類兵器(ヒトだけをころすモノ)であった。

見慣れたオレンジ色の人
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