第十五話 幸せの中でその十
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「サラダでね」
「そしてハンバーグを食べようね」
「そうしようね」
こう話してだ。まずはその温かいスープを飲んだ。それからだ。
今度はサラダを食べた。そのサラダもだった。
「優しい味よね」
「お野菜新鮮でしょ」
「生きてるよ」
そのレタスやオニオンがだ。そうなっていると言う千春だった。
「皆ね」
「生きてるんだ」
「うん、生きてるよ」
そうなっているというのだ。サラダの野菜達が。
「それにドレッシングもね」
「これはどうかな」
「尖ってないよ。けれど」
「けれど?」
「お酢もいいね」
ドレッシングには絶対に入っているだ。それもいいというのだ。
「油もいい感じだよ」
「ドレッシングって実は難しいらしいけれどね」
「うん。バランスが大事だから」
酢と油に香辛料、そしてその中に入れる様々なものの調和がだ。かなり大変なのだ。一口にドレッシングと言ってもだ。難しいものなのである。
「けれどこのお店のドレッシングはね」
「バランス取れてるよね」
「美味しい」
そしてだ。千春はこの言葉を出した。
「このサラダも美味しいよ」
「お野菜だけでなくてドレッシングもいいから」
「うん、美味しいよ」
笑顔でだ。千春はまた言った。
「とてもね。じゃあスープとサラダの次に」
「いよいよだね」
「うん、ハンバーグ食べよう」
オムライスの前にだ。メインディッシュをだというのだ。
「この大きなハンバーグね」
「子供の頃からね。ここでハンバーグを食べるとね」
「食べると?」
「それだけでお腹一杯になったんだよね」
希望は今はサラダを食べている。だがそれと共にハンバーグを見ていた。
そしてそうしながらだ。こう言うのだった。
「だからね。このハンバーグね」
「好きなんだね」
「ハンバーグの中では一番好きかな」
ハンバーグは多くある、だがその中でもとりわけだというのだ。
「本当にね」
「そう。じゃあね」
「今から食べよう」
「うん、食べよう」
丁度サラダも食べ終わった。二人共皿を奇麗にしている。そしてだ。
ハンバーグの皿を前にしてだ。フォークとナイフを使ってそのハンバーグに目玉焼きごとナイフを入れる。一方をフォークで止めたうえで。
切ったハンバーグを口の中に入れる。肉の旨味の中に細かく刻んで入れられている人参や玉葱の味もする。そして目玉焼きのそれも。
そういったものがソースによりさらに濃厚な味にされている。そのハンバーグを食べてだ。
千春は目をにこやかにさせてだ。こう希望に答えた。
「このハンバーグもね」
「美味しいよね
「うん、美味しいよ」
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