第一章
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エルフと結婚
ある王国で若いながらも国の重鎮として政務に勤しんでいるジュリオ=デル=バスティアニーニ侯爵は家と家の婚姻まさに貴族同士のそれでその相手が決まった、だが侯爵はその相手のことを聞いて家の者達に驚いて言った。
「エルフかい」
「はい、エルフのロマーニャ家のご息女とです」
「婚姻が決まりました」
「国王陛下のお考えでそうなります」
「そうなのか、確かに今我が国はエルフの王国と友好関係を深めている」
侯爵にしろそれを推し進めている者の一人である、彼は各国のバランスを取り融和的な政策で反映を求める考えであるのだ。黒髪を伸ばし波立たせており切れ長の黒い瞳に顎が尖った面長の顔ですらりとした長身だ。数ヶ国の言葉を喋ることが出来学問にも秀でている。領地ではよき領主と評判であり財政もしっかりさせている。
「しかしだ」
「それでもですか」
「まさかエルフの方と結婚とは」
「思われませんでしたか」
「全くな、私もそろそろ婚姻することになるとは思っていた」
そうした年齢になってというのだ。
「そうだった、しかしな」
「それでもですか」
「まさかですか」
「お相手がエルフとは」
「そうだ、ロマーニャ家はエルフの国で屈指の名門」
侯爵はこのことは知っていた。
「エルフ王家の血を引きな」
「多くの宰相を輩出しています」
「そして国を栄えさせてきています」
「政に秀でています」
「その家です」
「当家も政治の家だ」
王国で代々その任に就いてきたというのだ。
「そうした意味で同じだ」
「左様ですね」
「その通りですね」
「人間とエルフでも」
「それでも」
「そして権門の家の婚姻は家と家の結びつきを強め」
今度は貴族の結婚の話をした。
「そしてひいてはな」
「国と国ですね」
「その結びつきを強めますね」
「そうしますね」
「そうしたものだからな」
それ故にというのだ。
「ここはな」
「旦那様は結婚されますね」
「そうされますね」
「エルフのご息女と」
「そうする」
人間と違う、このことがどうしても気になった。だがそれでも代々国の政の為に働き国が栄える為に尽くしてきた家の者としてだった。
侯爵は表向きは笑顔でそのエルフの息女との結婚を承諾した。そして。
そのエルフの息女、ロマーニャ侯爵家の長女であるカターニャ=デル=ロマーニャを妻に迎えた、そのカターニャの姿はというと。
背は一七〇程ですらりとしていてだった。
金髪の腰まであるさらりとした髪のに面長で顎の先が尖った顔、白い雪の様なきめ細かな肌緑の切れ長の長い睫毛を持つ瞳細く流麗な眉に尖った耳を持っていた。その彼女が白い花嫁衣裳を着て自分の前に姿を現すと。
侯爵は思わず息を飲
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