暁 〜小説投稿サイト〜
歪んだ世界の中で
第十五話 幸せの中でその九
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「それにハンバーグとかオムライスで」
「サラダにアイスクリームもつくよ」
「それだと最後にね」
「コーヒーがいいっていうんだね」
「洋食を食べて最後にコーヒーを飲むとすっきりしない?」
 魅力的な微笑みでだ。千春は希望に尋ねる。
「それはどうかな」
「ううん。言われてみるとそうだね」
 千春に言われてからだ。希望はまた少し考えた。
 そしてそれからだ。こう彼女に言葉を返した。
「洋食だからね」
「最後はそれだよね」
「うん、コーヒーだね」
 希望は微笑んでだ。千春に同意した。
「それがいいね」
「それじゃあコーヒーにしよう」
「うん、じゃあね」
 こう話してだ。そのうえでだった。
 希望がウェイトレスにコーヒーを頼んだ。勿論数は二つだ。
 まずはハンバーグが来た。それとサラダだ。サラダにはレタスにスライスしたトマト、ラディッシュ、それとオニオンもあった。ドレッシングはフレンチだ。
 ハンバーグはかなり大きい。そのハンバーグを見て言う希望だった。
「ここのハンバーグって四〇〇グラムあるんだ」
「四〇〇?」
「そう、かなり大きいでしょ」
「そうよね。ハンバーグの大きさだとね」
 そうだとだ。千春も答える。見ればステーキ用の鉄板がある皿の上のハンバーグはかなり大きい。そしてその上には目玉焼きがありもうデミグラスソースがかけられている。そしてそのハンバーグの横にはマッシュポテトが置かれている。ハンバーグのブラウンとマッシュポテトの白、鉄板の黒と木のダークブラウンという色彩だ。
 そのハンバーグを見てだ。千春も言った。
「本当に大きいよね」
「そうだよね。じゃあこのハンバーグをね」
「二人で食べよう」
 希望はここでも笑顔だった。
「大きいだけじゃなくて美味しいよ」
「見てるだけでわかるよ」
 そして匂いでもだ。千春はわかるというのだ。
「このハンバーグ凄く美味しいよね」
「じゃあ食べよう」
「その前にスープ飲もう」
 ハンバーグにはスープもついていた。それはコーンポタージュだった。千春はハンバーグを食べる前にだ。まずはそれを飲もうというのだ。
「これね。最初にね」
「そうだね。まずはね」
「スープを飲んでから食べよう」
 こう言ってだ。千春は実際に白い皿の中にあるその薄い黄色のポタージュに銀のスプーンを入れてそうして赤い口の中に含んだ。希望もそうした。
 温かく優しい味を味わってだ。こう二人で言った。
「美味しいよね」
「そうだよね」
「うん、このお店の味ってね」
「味わうと穏やかな気持ちになれるよね」
「飾ってないんだ」
 その味がだというのだ。
「全然ね。それでね」

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ