第十五話 幸せの中でその九
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「味わうと穏やかな気持ちになれるのね」
「そうなんだ。家庭の味っていうかな」
「家庭。お家で作るハンバーグみたいな」
「ほら、フランス料理だと贅沢じゃない」
「うん、あのお料理はね」
「けれど洋食は違うから」
洋食は洋食、フレンチはフレンチだ。洋食は明治維新から西洋の料理を取り入れたものだ。だから洋食だ。しかしそれはもう日本の、しかも家庭の味になっているのだ。
だからその洋食だからだとだ。希望は言うのだ。
「飾らなくていいからね」
「だからこうして実際になのね」
「そう。このお店は飾ってないんだ」
「だからこの味なんだ」
「美味しいよね」
スープを飲みながらだ。千春は微笑んで言う。
「とてもね」
「うん、本当にね」
「スープをまず飲んでね」
そしてそれからだった。
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