暁 〜小説投稿サイト〜
歪んだ世界の中で
第十五話 幸せの中でその九
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
「味わうと穏やかな気持ちになれるのね」
「そうなんだ。家庭の味っていうかな」
「家庭。お家で作るハンバーグみたいな」
「ほら、フランス料理だと贅沢じゃない」
「うん、あのお料理はね」
「けれど洋食は違うから」
 洋食は洋食、フレンチはフレンチだ。洋食は明治維新から西洋の料理を取り入れたものだ。だから洋食だ。しかしそれはもう日本の、しかも家庭の味になっているのだ。
 だからその洋食だからだとだ。希望は言うのだ。
「飾らなくていいからね」
「だからこうして実際になのね」
「そう。このお店は飾ってないんだ」
「だからこの味なんだ」
「美味しいよね」
 スープを飲みながらだ。千春は微笑んで言う。
「とてもね」
「うん、本当にね」
「スープをまず飲んでね」
 そしてそれからだった。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ