第四章
[8]前話
「これまで頑張れましたし」
「これからもですね」
「それが出来ます、ですから」
「ご公務もですね」
「励み」
そしてというのだ。
「皆様のご期待に添います」
「そうです、国家元首はです」
殿下もこう帝に言われた。
「市民の皆様の期待に添う」
「そうあるべきですね」
「特に君主であり」
「日本の天皇となれば」
「そうしなければです」
「なりませんね」
「尚更、ですから」
殿下は帝に穏やかであるが確かな声で言われた。
「これからもです」
「はい、天皇としています」
「そうして下さい、天皇となられることは運命であり」
「即位したからにはですね」
「どなたでもなく」
「天皇ですね」
「そうであられますので」
それ以外のどなたでもないというのだ。
「その様にです」
「承知しています、それでは」
「今日もお励み下さい、それとですが」
殿下はさらに言われた。
「ご成婚のことですが」
「私は女性だからですね」
「皇室は男系継承ですので」
このことがこの時代でも守られているからだというのだ。
「ですから」
「私は皇室から相手の方を迎えるか」
「東宮様はです」
即ち皇太子はというのだ。
「皇室のどなたかから」
「そうなりますね」
「そのことはこれからです」
「お話していきますね。私は兄弟がいないので」
それでというのだ。
「そうなりますね」
「はい、ですから」
殿下は帝に言われた。
「このこともです」
「考えていくことになりますね」
「それは私達も考えていきますので」
「それでは」
「決まり次第です」
そのうえでというのだ。
「お話させて頂きます」
「わかりました、では本日も」
「ご公務にお励み下さい」
「そうさせて頂きます」
こう答えられてだった。帝はこの日の公務に入られた。
そして公務に励まれる日々を過ごされて。
ご結婚は皇族の方とされて皇太子ももうけられた、そうして夫となられた方とも仲睦まじくし合わな家庭を務めて築かれ。
最後まで立派な帝であられた、僅か五歳で即位されて崩御されるまで市民達への感謝の言葉を忘れなかった、そして。
歴史ではよい天皇であったと書かれている、幼くして即位され努力を怠らず常に市民への感謝と帝の務めを忘れなかった方として。ご幼少よりの即位の時は連合の他の国の多くの者から不安がられたがそれは杞憂だったとも書かれた。立派な君主であったと。
幼き女帝 完
2020・12・17
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