第六百十九話 レモンティーその十一
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「そうなりやすいのかもね」
「サハラだと無神論者は絶対に信用されないっていうわね」
彰子はこのことを言ってきた。
「そうらしいわね」
「うん、あそこで無神論者は信じるものがないつまり」
管は彰子にも答えた。
「倫理観がないって考えるから」
「倫理の拠り所がないっていうのね」
「そう考えるから」
「信用されないのね」
「倫理観がないつまりどんな悪いことでもする人と思われてね」
それでというのだ。
「全く信用されないんだ」
「そうなのね」
「サハラはイスラム教だけれど」
イスラム教徒即ちムスリムは連合にも多い、二年S1組にも多いのでここにいる面々もよく知っている宗教の一つである。
「イスラム教以外でもね」
「いいのね」
「何かの宗教を信じていれば」
それがイスラム教でなくともというのだ。
「いいんだ」
「異教徒ははっきり分ける国よね」
「異教徒は地獄に落ちるよ」
イスラムの教えでは確実にそうなるとされている。
「絶対にね」
「そうよね」
「けれど異教徒の存在は認めているから」
「それも有名よね」
「だからね」
例え地獄に落ちる存在でもというのだ。
「ある程度にしろ信じてはもらえるんだ」
「そういうことね」
「けれど無神論者は」
「そうはいかない」
「そう思われているよ、それで僕も思うに」
その知り合いを見てである。
「無神論者だとね」
「おかしくなりやすいのね」
「そうかもね」
「そう思うと神様仏様を信じることも大事ね」
「そうだね、人間以上の存在を感じることもね」
「本当にそうよね」
彰子はレモンティーを飲みながら答えた、甘酸っぱいそれは本来は刺激的だが馴染みやすい味だ。だが今は神秘的なものも感じられた。
レモンティー 完
2021・5・9
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