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八条学園騒動記
第六百十九話 レモンティーその十

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「終わりだよ」
「そうなるのよね」
「酷い場合ヘドロとかと一緒に処理されるよ」
 大小の排泄物と一緒に捨てられたりもする、兎に角連合という国は犯罪者特に凶悪犯の人権は徹底的に無視する国なのだ。
「そうなるよ」
「それは嫌ね」
「だから悪いことはね」
「しないことね」
「法律を逃れても」
 例えそうしてもというのだ。
「地獄に落ちるしね」
「死んだらね」
「それか餓鬼になるから」
 菅は餓鬼道の話もした。
「そんなことはしないことだよ」
「というかああした人達はもう、だね」
 スターリングは少し冷めた目になって述べた。
「餓鬼になってるね」
「そうだね」
 菅もそれはと言葉で頷いた。
「心はね」
「そして心が餓鬼になったら」
「死んだらね」
「餓鬼に生まれ変わるんだね」
「そうなるよ、そしてね」 
 レモンティーを飲みつつ話した。
「こうしてお茶もね」
「飲めなくなるね」
「喉が針みたいに細くなって」
 それが餓鬼の身体である。
「飲みものも食べものも喉を通らなくて」
「常に飢えと渇きに苦しんでいるね」
「そうなっているよ」
 こう仏典には書かれている。
「それでお腹の中には色々虫がいて」
「暴れて刺してね」
「物凄く痛いんだ」
「地獄みたいだね」
「地獄道と餓鬼道はまた違うけれど」
「餓鬼も苦しいんだよね」
「下手したら地獄にいる以上にね」
 六道の中で一番下にある世界である、その上に餓鬼道があるのだ。
「辛いかもね」
「そうだろうね」
「餓鬼として」 
「餓鬼になったら」
 それこそというのだ。
「これだけ辛いことはないし」
「悪事はしないことだね」
「うん、特に浅ましいそれはね」
「いや、生まれ変わってもね」
 蝉玉も言ってきた。
「色々な生きものにって思っても」
「人間にもだね」
「人間が一番?けれどね」
「餓鬼にはだね」
「絶対に生まれ変わりたくないわ」
 このことを心から思って言葉に出した。
「本当にね」
「そう思うならね」
「悪いことはしないことね」
「やっぱりね」
 最初からそうすべきというのだ。
「神も仏も信じない人もいるけれど」
「あんたの知り合いの人みたいに」
「こうした人って何でか倫理観がね」
「ない人多いみたいね」
「神や仏を信じたら」 
 即ち人間より上位の存在をというのだ。
「謙虚さを知ってね」
「慎んでね」
「それで倫理観もね」
 これもというのだ。
「信仰の中でね」
「身に着けるのね」
「無神論者でも倫理観は備えられるけれど」 
 それでもというのだ。
「やっぱりね」
「信仰がないとね」
「神仏を信じていないと」
 そうであるならというのだ。
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