第十一話 アルバイト初日その三
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「そうしてくれます」
「それも凄いですね」
「店長の人間関係は私も完全に把握していませんが」
それでもとだ、マネージャーは咲にさらに話した。
「どうもかなりのです」
「ものがありますか」
「相当な人脈の様です」
「そうなんですね」
「ですから」
「速水さんいえ店長さんがですね」
「おられない時は」
その時はというのだ。
「そうなります」
「そうですか」
「ですから」
「その時もですね」
「安心してです」
そうしてというのだ。
「お仕事に励んで下さい」
「わかりました」
咲はマネージャーのその言葉に頷いた。
「そうさせてもらいます」
「それでは、では今から」
「はい、アルバイトにですね」
「頑張って下さい」
「そうさせてもらいます」
咲は笑顔で応えた、そうしてだった。
咲はアルバイトに入った、その仕事の内容は実際に受付と掃除やお茶を出したりと雑用であった。だがやることが多く。
バイトが終わった時にだ、咲はこう言った。
「あっという間でした」
「そうでしたね」
「あれこれ動いて応対もして」
そうしてとだ、マネージャーに話した。
「本当にです」
「それは何よりです、忙しいお仕事程です」
マネージャーは咲に笑顔で話した。
「まさにです」
「やりがいがありますか」
「そうです、そして充実しています」
「そうなんですね」
「それと振込先ですが」
マネージャーは咲に金の話もした。
「お話してくれた口座にです」
「入れてくれますか」
「毎月二十一日に」
「その日にですね」
「そうさせもらいます、今月からです」
「入れてくれますか」
「働かれた分だけ」
それだけというのだ。
「そうさせて頂きます」
「ではお願いします」
「頑張って下さいね」
「そうさせてもらいます」
「ではまた」
「アルバイトのある日にですね」
「お願いします」
マネージャーは家に帰る咲に笑顔で話した、このやり取りを経てだった。
咲は家に帰った、家に帰ってこれまでよりも遅い夕食を食べつつ両親にアルバイトの話をするとだった。
一緒に食べている両親はそれぞれ言った。
「そうか、充実してるならな」
「いいわね」
「楽な仕事は案外時間経つの遅くてな」
「これが結構嫌なのよね」
「けれど時間がすぐに過ぎるならな」
「それに越したことはないわよ」
「そうなのね、何か本当にね」
咲は今晩のおかずのアジのフライを食べつつ言った。
「気付いたらね」
「終わってたか」
「そうだったのね」
「ええ、本当にね」
こう言うのだった。
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