第三百五十九話
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第三百五十九話 長い夜は
カーミラハワインも飲んでタルトを食べて音楽を聴いていたがその音楽のCDが終わるとそこでだった。
使い魔達に窓から月を見て言った。
「まだ長いわね」
「はい、夜は」
「まだ開けません」
「今は二時ですが」
「あと数時間あります」
「そうね、それだけあると」
使い魔達の言葉を受けて言った。
「まだ何かね」
「出来ますね」
「お休みになられるまで」
「左様ですね」
「散策に入浴、読書にワインに」
そしてというのだ。
「食事も楽しんだしね」
「音楽もですね」
「ですがそれでもですね」
「まだありますね」
「左様ですね」
「ええ、まだあるなら」
それならというのだ。
「すべきね」
「退屈よりもですね」
「楽しまれることですね」
「今はそうしたお気持ちですね」
「退屈を楽しむことも出来るわ」
カーミラは優雅に微笑んで述べた。
「私はね」
「のどかな一時を過ごす」
「ただ何となく」
「そうしたことも楽しめますね」
「日本人は出来ないでしょうけれど」
彼等の多くはというのだ。
「どうもね」
「この国の人達はそうですね」
「起きている時は常に何かをしていますね」
「そうしていないと気が済まないですね」
「兎に角動いていますね」
「日本人は働き者と聞いたけれど」
カーミラにしてもだ。
「本当にそうね」
「働く、学ぶ、遊ぶ、そればかりです」
「寝る時以外は」
「本当にそうですね」
「ええ、彼等ではないけれど今の私もね」
是非にと言ってそうしてだった。
カーミラは次に何をしようかと話した、そしてそのうえで使い魔達と共に探すことにして話していっていた。
第三百五十九話 完
2021・4・15
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