第八幕その八
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「ついつい食べてしまいそうよ」
「けれどこれで食べたら駄目よ」
恵梨香はそのナターシャに言いました。
「後でね」
「そうだよね、後で皆で食べよう」
ジョージも言いました。
「収穫してからね」
「つまみ食いはよくないから」
神宝もこのことは気をつけています。
「今は我慢しよう」
「我慢して」
そしてとです、カルロスも食べたい気持ちを堪えています。
「収穫に専念しよう」
「そうよね」
「本当に食べたくなるけれど」
「それを我慢して」
「そしてね」
「そのうえで」
「やっていこう」
こう言ってそのうえで、でした。
五人もしっかりと収穫のお仕事をしています、その五人のところでかかしが来てそうして言ってきました。
「ちょっといいかな」
「どうしたんですか?」
「いや、この果樹園蛇も結構いたのに」
その蛇達がというのです。
「今は姿が見えないね」
「そういえばそうだね」
樵も言いました。
「どうしたのかな」
「グリフォンが来て怖いとかはないね」
かかしはすぐにそれはないと察しました。
「別に」
「そうだね、ここはオズの国だからね」
「それはないね」
「そうだね」
「だとしたらお昼寝をしているのかな」
かかしはこう考えました。
「それなら」
「はい、この時間はです」
ご主人がかかしと樵に答えました。
「蛇達は寝ますね」
「ああ、そうなんだ」
「それでなんだ」
「今は蛇達の姿が見えないんだ」
「そうなんだね」
「はい、そうです」
そうだというのです。
「うちの果樹園の蛇達は寝ることが大好きで」
「お昼寝も毎日していて」
「それが今なんだ」
「そうです、ですから」
それでというのです。
「特に驚くことはないです」
「わかったよ、じゃあね」
「そのことはこれでいいね」
「そうだね」
「うん、納得したしね」
二人はこれでこのことはいいとなりました、そしてです。
二人も収穫を手伝ってでした、その作業が終わったところで将軍が連絡してきました、その連絡は。
「今からですね」
「ええ、グリフォンさんが帰るからね」
アン王女がカルロスに答えました。
「だからね」
「今から見送りですね」
「そうなるわ」
「わかりました、それじゃあ」
カルロスも他の皆も頷いてでした。
皆でグリフォンを見送りに彼女のところに集まりました、するとグリフォンはもう起き上がっていてです。
皆にです、こう言いました。
「ではまたね」
「何時でも来て下さいね」
ワインはにこりとしてグリフォンに応えました。
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