第四章
[8]前話
「もうすぐおしまいだ」
「でしょうね、どうなるかわからないですが」
「あれだけ可愛がっていた娘を平気で捨てる奴なんてな」
「どうでもなれですね」
「そうだよ、しかしな」
彼はここで洋介の傍にある写真を見た、そこにいるのはふわりだった。しかもその写真は。
「あいつのゴミ箱からこっそり拾った写真今も飾ってくれてるか」
「家族ですから」
洋介は彼に笑顔で答えた。
「だからですよ」
「ちゃんと飾ってるんだな」
「職場ですが店長も飾るの許してくれましたし」
「だからだな」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「飾っています」
「そうしてるんだな」
「こうして。ただ」
「それでもか」
「はい、こうしてです」
「飾ってだな」
「やる気出しています」
こう彼に話した。
「それで家に帰ったら」
「その娘と楽しい時間過ごすか」
「そうします」
「そうか、じゃあ可愛がってくれよ」
「ええ、それで今は仕事頑張ります」
笑顔で言ってだった。
洋介は客に調理していた焼き餃子を出した、その焼き餃子はいい焼き加減で客も満足した。その彼等を見ている写真の中のふわりは洋介の家でそうしている様に笑顔であった。
人は見て聞いている 完
2021・6・28
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