第三章
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「そんなことするなんて信じられないわ」
「全くよね」
「最低な人ね」
「娘とか言ってたワンちゃんにそう出来るなんて」
「吠えるから五月蠅いって犬でしょ」
「犬は吠えるのに」
「それなら最初から飼わないで欲しいわ」
「もう何処で会っても無視しましょう」
こう話して妻の方も近所の誰からも相手にされなくなった、だが本人だけは気付かず自分達の子供の話を続けた。
その話をだ、夫の会社の者が自分の行きつけのラーメン屋で働いている夫婦の親戚である国崎洋介に話した。
「そうなってるよ」
「あの二人親戚にも言って全員から義絶されてインスタも炎上して閉鎖してますよ」
「それでも懲りてないんだな」
「何か捨てた直後の動画も出回っていて」
「評判は散々だな」
「ええ、そうなんですが」
「本当の馬鹿なんだな」
夫の同僚は心から思った。
「夫婦共に」
「そうみたいですね」
「ああ、それであんたも知ってるかも知れないけれどな」
カウンターの席で卵ラーメンを食べつつその中にいる洋介に話した。
「二人目がな」
「出来たらしいですね」
「やっぱり知ってるか」
「縁は切ってますが」
それでもというのだ。
「話は入りますから」
「だからか」
「はい、聞いてます」
その話はというのだ。
「俺も」
「そうなんだな」
「ええ、それでそのことをですね」
「周りに言い回ってるさ」
「奥さんの方もどうも近所に」
妻の方もというのだ。
「そうらしいですね」
「それでもわからないんだな」
「自分達だけは」
「滑稽だな、けれどな」
それでもとだ、彼は洋介に言った。
「そのうち連中は痛い目見るな」
「やっぱりそう思います?」
「もう皆から嫌われてるんだぞ」
「それで大事な仕事も任せてもらわない」
「それで痛い目見ないで済むか」
それこそというのだ。
「というかもうとっくにな」
「痛い目に遭っていますね」
「そうだろ、だからな」
「もう終わりですね」
「あんな連中はな」
それこそというのだ。
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