第二章
[8]前話
「だからね」
「注意しないとな」
「そう、だからね」
「絶対にしないとな」
「ふわりの為にも私達の為にも」
「世の中の為にもな」
「保健所に野良犬や野良猫が入れられるのもその為よ」
ふわりの前の飼い主達がふわりを捨てたその場所の話もした。
「ああしたところもね」
「狂犬病の犬や猫がいない様にする為だよな」
「そのことがあるからね」
「存在するんだよな」
「本当に怖いから」
狂犬病はというのだ。
「だからね」
「それであるから」
「あながち否定も出来ないのよ」
「世の中の難しいところだな」
「そこはね、けれどふわりの注射は終わったから」
「よかったな」
「ええ、それじゃあね」
「今日はふわりには休んでもらうか、いや」
洋介は思い直して言った。
「散歩行かないとな」
「夕方のね」
「後で連れて行くな」
「そうしてね」
「ああ、ふわり今度は楽しい場所に行くからな」
だからだとだ、洋介はケージの中のふわりに言った。
「それまでは寝ていろよ」
「クゥン?」
彼に言われてふわりも目を覚まして応えた。
そしてだ、洋介を見て頷く様に鳴いた。
「クゥン」
「夕方にな、じゃあな」
「ええ、夕方に行って」
母も言ってきた。
「そしてその後でね」
「ご飯だよな」
「そうしましょう」
「それじゃあな、しかしな」
「今はね」
「ゆっくりと寝てもらうな」
「頑張って予防接種に行ってもらったしね」
「そうするな」
「そうしてもらいましょう」
こう話してそうしてだった。
洋介はふわりに夕方まで休んでもらうことにして自分も休んだ、そうしてそのうえで夕方は彼女を散歩に連れて行った。その時にはもう気を取りなおして元気になっていた。
予防接種 完
2021・6・28
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