遊び心
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!?」
「大丈夫か!?」
持っていなかった俺たちですら感じるほどの熱を発している石。驚いたルーシィさんとグレイさんが声をかけ、彼の冷たい手で彼女の手を冷やす。
「すまない、グレイ」
「気にすんな。それよりも手、大丈夫か?」
「これくらい、問題ない」
素早い処置のお陰でひとまずは大丈夫そうだ。そんな彼女の様子を見ていたのに、ナツさんはおもむろに地面に落ちた石を手に取る。
「ちょっと!!ナツさん!!」
「何やってるんですか!?」
慌てて俺とウェンディが手を離させようとしたが、ナツさんは全然平気そうにそれを見ている。そういえばこの人、火の魔導士だから熱いものでも大丈夫なのか。それがわかってたから、手に取ったってことかな?
「これを使って異常気象を起こしているってことか?」
「えぇ・・・それはさすがに・・・」
確実に自然物ではないだろうけど、これが原因だとは思えない。不思議な力は感じるけど、これ一つでどうにかできるとは思えない。
「ねぇ!!こっちにも同じものがあるわよ!!」
「こっちにも〜!!」
「すごいいっぱいあるよ!!」
すると、シャルルたちも同じものを見つけたらしく声をかけてくる。
「これを拾っていけば手掛かりが見つかるのかしら」
「そうかもしれねぇな」
「とにかく行ってみよう」
ルーシィさんたちはその石を辿るように進んでいく。でも・・・
「なんか怪しくない?」
「やっぱりそうだよね?」
ウェンディに支えられている俺はゆっくり進みながら気になった点を話している。
「さっきまで何も見つけられなかったのに、突然・・・」
「しかもこんなにいっぱい落ちてるなんておかしいよね?」
手掛かりの手の字もなかったのに、こんなにたくさんの手掛かりらしきものが・・・それもまるで案内されているかのように一つずつ落ちているのがまた気になる。
「罠かな?」
「だよね?」
どう考えても俺たちを誘い込もうとしているようにしか見えない。本来なら対策を練ってから向かうのが得策なんだけど・・・
「シリル!!ウェンディ!!大丈夫!?」
「ゆっくり来ていいからなぁ」
それがわかっていないのか、先に進んでいってしまう皆さん。
「付いていくしかないんだよね・・・」
「そうだね・・・」
ナツさんたちが行くなら俺たちだけ待っているわけにもいかない。それに待ったをかけたとしても、気持ちが先行しやすいあの人たちが止まるとも思えないからね。
そんなことを思いながら、俺たちはゆっくりした足取りで後を付いていった。
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