第4節「世界を壊す、その前に──」
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ーが、降ってくるだとぉッ!?」
団地のすぐ近くには港がある。
しかし、クルーザーの出処が分かっても、そんなものが降ってくる理由など想像もつくはずがない。
純の両脚を覆うプロテクターが展開し、瞬間的に超加速する。
RN式アキレウスの特性は、高い防御性能と、瞬間的な超加速能力。
助走無しで一気に加速し、超スピードで戦場を駆ける。
クリスを抱えて身を投げ出した直後、轟音と共に四隻のクルーザーは爆発した。
気付いていなければ、2人はほぼ確実に押し潰され、爆発に巻き込まれていた事だろう。
「私に地味は似合わない。……だけど、これは少し派手すぎる」
黄色い女は、港の方を見ながら呟く。
視線の先には黄色く光る大きな目と、クルーザーを両手に掴んで佇む巨人の影があった。
「あとは私が地味にやる……」
黄色い女がそう言うと、巨人は闇に溶けるように姿を消し、同時にクルーザーも海面へと落下した。
「クリス、大丈夫かッ!?」
「はちゃめちゃしやがる……」
少し離れた草陰に身を隠しながら、敵方の様子を窺う2人。
そこへ、物陰から小さな影が駆け寄った。
「お二人とも、大丈夫ですか?」
「ああ……ってッ!?おまッ、その格好──ッ!純くんッ!目ぇ閉じろッ!」
「痛ったぁ!?」
それは、小学生ほどの背丈の子供だった。
目深にかぶったフードから覗く、少年とも少女ともつかない、幼い顔立ちと体つき。
クリスが純の目を覆った理由は、その格好だ。
なんと、フード付きの黒いローブの下には、同じく黒いブーツと丈がギリギリのパンツ一枚のみである。
年端もいかない子供とはいえ、流石にこの格好は際ど過ぎる。恋人として、彼氏の目を覆いたくなるのも当然だ。
「あなた達は……」
「あ、あたしは快傑☆うたずきん!国連とも日本政府とも全然関係なく日夜無償で世直しに奔走する──」
「イチイバルのシンフォギア装者、雪音クリスさん。そちらはアキレウスの伴装者、爽々波純さんですよね?」
「……へ……?」
「その声、さっきの……?」
声の主はかぶっていたフードを取り、その素顔を露にする。
その外見は同じ頃に響と対面しているキャロルと瓜二つであった。
彼女との差異は黄緑色の髪色と髪型、そして左目の下の泣きボクロくらいである。
「ボクの名前はエルフナイン。キャロルの錬金術から世界を守るため、皆さんを探していました」
「「……錬金術、だと?」」
クリスと純は顔を見合せ、唐突に飛び出してきた予想だにしなかった単語に驚愕した。
ff
「世界を……壊す?」
「俺が奇跡を殺すと言っているッ!」
八陣の竜巻が響へと向けて放たれた。
空斬り渦巻く真空刃、地面を抉
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ