第六百十九話 レモンティーその四
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「科学が絶対、万能とかね」
「思ったら」
「傲慢なことで」
「思ったら間違えるわ」
「そうだね」
菅は蝉玉の言葉にも頷いた。
「そうした考えは」
「科学者の人も言うし」
「今の科学の知識なんて僅かでね」
「科学を学べば学ぶ程ね」
「その知識は僅かで」
「神様の力を」
まさにそれをというのだ。
「感じるって」
「というかよ」
彰子も言ってきた。
「今の科学の知識で世の中のこと全部語るとか」
「不可能だね」
「漫画の設定とかでもね」
「そうしようとしたら」
「もう無茶苦茶になるよ」
「そうよね」
「未来の技術なんてね」
科学のそれはとだ、菅は彰子にも応えた。
「今の技術で計れないから」
「百年前の技術で今の技術なんてね」
「無理だよ」
「それでそう言ったら」
「無茶苦茶になるのも当然だよ」
「全く以てそうね」
「若しそんなことして得意になっている人がいたら」
今の科学技術の知識で未来を描いた漫画や小説の設定をあれこれ批判して無理だの出来ないだの言ってももというのだ。
「馬鹿だよ」
「そうよね」
「そして神様も」
「科学ではね」
「説明出来ないよ」
「そういうことね」
「そしてね」
さらにだ、菅は言った。
「人と人の出会いを科学で説明出来るか」
「出来る筈ないでしょ」
七海は何言っているのという顔で菅の今の言葉に応えた。
「そんなの」
「そうだね」
菅は七海にも応えた。
「こんなの科学で説明出来るとか」
「考えたらね」
「試みるならいいとしても」
「出来るとか言って断言したら」
それこそとだ、七海はさらに言った。
「やっぱりね」
「馬鹿だね」
「本当にね」
「この世に万能のものがあるとしたら」
「神様ね」
「その神様だけで人間はね」
その人間が生み出したものはというのだ。
「万能じゃないから」
「絶対にね」
「そう、そして人と人の出会いは」
「科学じゃ説明出来なくて」
「まさにね」
「神様ね」
まさにというのだ。
「人間では説明出来ない」
「そうした存在ね」
「実は知り合いに無神論者で頼るのは自分の力だけだって言ってる人いたけれど」
今度はそうした人の話をした。
「今プロ市民やってるよ」
「馬鹿ってことかな」
「そうよね」
スターリングも蝉玉もその人の話を聞いて即座にこう思った。
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