第十四話 新しい道その十四
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「そんなことできるの」
「できるで。っていうか」
「希望の家ではコロッケどないしてたんや?」
「いや、お店で買って」
そうしてだったというのだ。
「それでそのままお皿に乗せて」
「ああ、あんたのお母さん料理せんからな」
「買ってそれ出してやったな」
「そうじゃないんだ」
「それでしてやってるっていつも言うてな」
「あれじゃああかんわ」
おばちゃん達は希望の母親のそういた一面をだ。首を横に振って否定した。
「料理はちゃんと作らなな」
「あかんのやけれどな」
「そういうものなんだ」
「そや。あんたのお母さんはそやからな」
「お父さんもそやけど」
夫婦揃ってだ。希望の両親は駄目だったというのだ。
「けれどうち等はちゃうで」
「ちゃんと料理するねんで」
「ううん、コロッケって買うだけじゃなかったんだ」
「御料理自体がそやで」
「全部な」
「そうなんだ。それじゃあ」
ここまで聞いてだ。そうしてだった。
希望は考える顔になりそのうえでだ。こう言うのだった。
「そのコロッケ食べさせてもらうね」
「たっぷり作るさかいな」
「希望がお腹一杯食べられる様にしとくで」
「何か悪いね。本当に」
「ええから。お家に来たんやさかい」
「遠慮はいらんで」
ここでも優しく言う二人だった。そして。
その優しさは千春にも向けてだ。そうして彼女にも言うのだった。
「千春ちゃんも食べてきいや」
「千春ちゃんの分もあるから」
「千春もなの?」
「そや。希望の大切な人やさかいな」
「遠慮したらあかんで」
こう言ってだ。千春も向かえ入れるのだった。そしてだ。
千春は希望と一緒におばちゃん達の作ったコロッケも食べることになった。その料理が出来るまでだ。
希望の部屋、二階の新しい部屋に入った。その部屋は。
床の上にベッドに本棚、机と椅子がある。机にはパソコンもある。
その部屋の中でだ。千春は言うのだった。
「今日からこのお部屋で?」
「そう、暮らすよ」
「いいお部屋ね」
日差しもよく明るい。その部屋を見ての言葉だった。
「明るいし風もよく入るし」
「夏は過ごしやすいね。それにね」
「それに?」
「ストーブもあるから」
冬の話もする希望だった。
「冬も過ごしやすいよ」
「じゃあいいお部屋なのね」
「そうだと思うよ」
「そしてこのお部屋に」
千春は床の上に座布団を敷いて座っている。希望は机の席にいる。
その状況でだ。希望に話すのだった。
「千春は何時でも来ていいのね」
「そうね。ただね」
「ただ?」
「おばちゃん達の料理食べて驚かないで
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