第三章
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「お昼ご飯が待っているんだよ」
「ではお昼にはですね」
「あの娘は家に帰るさ」
「そして飼い主さんとの一緒の時間を過ごすんですね」
「そうなんだよ」
親父はステファニーに笑顔で応えた、そうしてだった。
ステファニーは馬をじっくりと見た後で次に行く場所に向かった。ジェニーのことは旅のいい思い出の一つになった。
そして家に帰るとだった。
両親に迎えられた、その時に。
白い鬣に白地にグレーの模様がある三歳のアラビア馬がいた、見れば雄である。
家の中にいる雄馬の頬を優しく撫でてだった、ステファニーは彼に言った。
「只今、ナサール」
「ヒヒン」
「もうすっかり普通になったな」
「そうね」
両親もナサールを見て話した。
「ナサールが家に入って」
「そうなったな」
「最初は台風で厩が壊れたから入れて」
「一時的と思っていたらな」
「この子も私達も馴染んで」
「普通になったな」
「そうね、ご飯もお家の中で食べておトイレも用意してるし」
それでというのだ。
「それで家族が納得してるなら」
「それならな」
「問題ないわね」
「最初はどうなるかって思ったけれど」
ステファニーはナサールを見ながら両親に応えた。
「家族もこの子も馴染んでるなら」
「それならな」
「いいわね」
「ええ、ちょっと落ち着いたらお散歩に行って来るわ」
両親にこうも言った。
「この子と一緒にね」
「その子に乗ってな」
「そうしてよね」
「ええ、行って来るわ」
家に帰ってだった。
ステファニーは愛馬を見つつ両親と話した、そして旅の荷物を置いてコーヒーを飲んで一服してからだった。
ナサールと一緒に散歩に出た、自分に背中を預ける彼に旅の話をすると彼はとても嬉しそうであった。
人間好きな馬達 完
2021・6・27
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