暁～小説投稿ｻｲﾄ～:魔法絶唱シンフォギア・ウィザード　～歌と魔法が起こす奇跡～第86話：軋轢を嗤う者

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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード　～歌と魔法が起こす奇跡～

G編
第86話：軋轢を嗤う者
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ごめ、アタシ……」
「いつつ……あぁ、気にすんな。今のはただの事故だ」
「――――！？　ゴメン！？」

　何でも無いと言う颯人に対し、奏は彼に背を向けてその場から逃げ出した。己の中で暴れる感情に、これ以上彼の前に居たらどうなるか分からなくなってしまったのだ。

「あ、おい――！？…………はぁ」

　走り去っていく奏の背に向けて、颯人は手を伸ばすが後を追う事はしなかった。今の奏からは精巧な氷細工の様な、迂闊に触れる事を躊躇わせる危うさがある。

　結局颯人はその後、奏と碌に話をする事も出来ず、何時もに比べ若干力無くその場を後にするのだった。

　そして――――――

「フフフフフ――！」

　そんな彼らの様子を、二課仮設本部から遠く離れた場所でほくそ笑みながら見ている者が居たが、当然ながら颯人は勿論その事に気づいた者は誰一人として存在しなかった。

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