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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第86話:軋轢を嗤う者
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意味カオスなその状況から逃れるように、ナスターシャ教授は部屋から出て行く。ソーサラーは彼女の体を気遣ってかそれについて行き、この場に残りたくないのかマリアもそれに続いて部屋から出て行った。
3人が部屋を出て行った後、残されたウェル博士は気に入らないと言うように鼻を鳴らした。
「――――ふん」
「では、私達は来るべき時に備えて部下を集めておこう。帰るぞ、グレムリン」
「は〜い!」
〈テレポート、ナーウ〉
会合が終わったと見て、メデューサとグレムリンも魔法でその場から消える。2人が居た場所を、ウェル博士が冷たい目で見ていた。
***
逃走したウェル博士を取り逃がした翌日、響は自身の体に起きている異変を了子の口から知らされた。
生体と聖遺物の融合。それは響だけでなく、以前のフィーネも自ら歩んだ変化である。だがフィーネと違うのは、ネフシュタンが元々そう言う特性を持っていたものであるのに対し、ガングニールは不測の事態として巻き起こった異変であると言う点であった。
その違いが齎すものなのか、このまま浸食が進めば響は死ぬだろうと言う結論が導き出されていた。
いや、仮に死なずにフィーネ同様ガングニールと完全融合する事になったとしても、その時響の体は人間とは言えないだろうし完全に浸食された時響の自我が残っているかも分からない。
何が言いたいかと言うと、今後響はシンフォギアを纏う訳にはいかないという事である。アルド曰く、シンフォギアを纏わずとも浸食は進むようだが、進行を少しでも遅らせる為にはギアを纏っての戦闘はご法度だ。
その旨を響は医務室で弦十郎から聞かされた。
己の身に迫る命の危機を前に、響が最初に見せた反応は笑いだった。
「あはは……つまり胸のガングニールが活性化される度に融合してしまうから、今後はなるべくギアを纏わない様にしろと。あはは……」
曖昧な笑みを浮かべる響。その笑みはどこまでも空虚で、空元気を出して笑っているのが丸分かりだった。恐らくは奏達を心配させないようにしようと精一杯浮かべた笑みなのだろう。
だがそれは逆効果でしかなかった。響が乾いた笑みを浮かべた瞬間、奏と翼が怒声を上げた。
「ふざけんなッ!? 状況分かってんのかッ!!」
「なるべくだと!? 寝言を言うな! 今後一切の戦闘行為を禁止すると言っているのだッ!!」
「奏さん、翼さん……」
「このままだと死ぬんだぞッ!? それをお前は――――」
2人揃って目元に涙を溜めながら響に叫ぶ。特に奏は、自分の所為で響を巻き込んでしまったと言う負い目があるおかげで辛さも人一倍だろう。
だからこそ、命を粗末にしかねない今の響には奏も冷静さを保てなかった。
とは言えこれ
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