暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第86話:軋轢を嗤う者
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 ソーサラーの手によりエアキャリアに撤退したウェル博士は、早速ナスターシャ教授の治療に取り掛かった。結果は無事終わり、状況が落ち着いたところでウェル博士はグレムリン・メデューサ達も交えて会合を開いていた。

 徐にウェル博士が取り出したネフィリムの心臓を、誰もが食い入るように見つめている。

「これは、ネフィリムの……」
「苦労して持ち帰った覚醒心臓です。必要量の聖遺物を餌として与える事で、ようやく本来の出力を発揮できるようになりました。この腎臓をアナタが5年前に入手した……」

 ウェル博士に話題を振られるマリアだが、何の事だか分からず首を傾げる。それを見てウェル博士は、呆れを交えた笑みと共に口を開く。

「お忘れなのですか? フィーネである貴方が、皆神山の発掘チームより強奪した神獣鏡の事ですよ」

 そう、奏が颯人ともに向かい、家族を奪われ颯人と引き離される原因となったあの事件の事である。この場に颯人が居たら、物凄い目でウェル博士を睨み付けていただろう。

 肝心のマリアはと言うと、ウェル博士からの指摘に今思い出したとでも言わんばかりに歯切れ悪く答えた。

「え、えぇ……そうだったわね……」
「ん〜? どうしたの、マリアちゃん? もしかして忘れちゃってたの?」
「ま、まぁね。流石に5年も前だもの、直ぐには思い出せないわ」
「櫻井 了子に宿ったフィーネは自他共に認める天才だったのだが…………それとも、頭の出来は素体に依存するのか?」

 茶化すようなグレムリンの言葉と侮蔑を混ぜたメデューサの言葉に、マリアが顔を顰めて口を噤む。

 それを見兼ねてか、ソーサラーがマリアを守るように片手をマリアの前に上げ、そしてナスターシャ教授がフォローするように口を挟む。

「マリアはまだ記憶の再生が完了していないのです。いずれにせよ聖遺物の扱いは当面私の担当。話はこちらにお願いします」
「これは失礼」

 ナスターシャ教授からの言葉に、ウェル博士はそう返すがどこか慇懃であった。

「話を戻すと、『フロンティア』の封印を解く神獣鏡と起動させるためのネフィリムの心臓がここに漸く揃った訳です」
「そしてフロンティアの封印されたポイントも先立って確認済み――」

 そこまで来たところでウェル博士は堪え切れなくなり拍手と共に高笑いした。

「そうです! 既に出鱈目なパーティーの準備は整ってる訳ですよ。後は、私達の奏でる狂騒曲によって、全人類が踊り狂うだけ! ウェ、ウェハハハハハッ!!」

 高笑いしながら気持ち悪い踊りを踊るウェル博士に、メデューサはゴミを見るような目を向けグレムリンは腹を抱えて笑っている。

「……近く計画を最終段階に進めましょう。……ですが、今は少し休ませていただきますよ」

 ある
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