ガンナーのマスター
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と……確か、ガンナーって……参戦派なんだっけ?」
可奈美の言葉に、リゲルは目つきを険しくした。
「ええ。今ここで戦ってあげてもいいわよ」
ぴしゃりとしたリゲルの言葉に、可奈美は腰を落とした。
今にも立ち上がろうとしたリゲルだが、その動きを鈴音が制する。
「リゲル、止めてください。可奈美さん」
鈴音は立ち上がり可奈美へ頭を下げる。
「すみません。リゲルは参戦派ですが、私は中立派です。戦わないで、隠れてやり過ごせればと考えています。前回のムー大陸は予想外でしたが、それ以外はなるべく関わらないでいきたいです」
鈴音の言葉に、可奈美は安堵の笑みを浮かべた。
「よかった……それじゃあ、鈴音ちゃんとは戦わく手済むんだね」
「よかった?」
その反応に、リゲルが突っかかってきた。
「貴女もウィザードも、本気なの? 私達は願いのために戦っているのよ? 戦わないなら、何時まで経ってもこの聖杯戦争を終わらせられないわ」
「そうだけど……」
「だったら……!」
言葉に詰まる可奈美へ、業を煮やしたリゲルがその襟首をつかむ。
「貴女も、あずみを諦めろというの!? マスターといい、私は聖杯に願いを叶えてもらうために現界したのよ!」
リゲルがそのまま机を叩く。乾いた音が、他に誰もいない店内に響いた。
「貴女の願いが何かは知らないけど、だったら死んでよ! 私をもう一度、あずみに合わせてよ……!」
リゲルがやがて、可奈美の両肩を掴んだ。やがて、力なく項垂れる。
「リゲルちゃん……」
「どうして……どうしてみんな、戦ってくれないのよ……」
「リゲル、少し落ち着いてください」
体が震えていくリゲルへ、鈴音が再び告げる。
「私は、逃げて隠れてやり過ごすと言っているんです。これから交渉するんですから、静かにしてください」
「……」
リゲルは納得していない。顔を見れば、火を見るより明らかだった。
だが、しばらくしてリゲルはため息とともに座りなおした。
水を飲んだ鈴音は、改めて切り出す。
「衛藤可奈美さん。協定を結びませんか?」
「協定?」
鈴音の提案に、可奈美は目を白黒させた。
鈴音は頷き、リゲルへも目線を投げる。
不満を隠さないリゲルだが、仕方ないとばかりに目を瞑った。
「私は、可奈美さんに参加者の情報を提供します。代わりに、可奈美さんは私を聖杯戦争に関わらせない」
「……っ!」
リゲルが唇を噛んでいる。可奈美はそれを見ながら、返答に困り果てていた。
「えっと……それ、どういうこと?」
「私を戦いに巻き込まない、戦いがあった場合は私を遠ざける。その代わりに、私は可奈美さんへ多くの情報を提
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