第六十四話 阿波野君と先輩その三十六
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「そうするわ」
「そうなのね」
「けれどりっぷくはね」
それはです。
「絶対にね」
「しない様にするのね」
「そう心定めするわ」
心定めもおみちの言葉です、簡単に言うと決心とか決意とかになるでしょうか。
「私もね」
「そうよ、そうして二人のお話を聞くのよ」
「間に立って」
「そうしなさいね」
「ええ、けれどまさか阿波野君があそこまで先輩を嫌うなんて」
このことは、でした。
「想像もしなかったわ」
「お母さんは二人共いい子だと思うわ」
「阿波野君も?」
「凄くね」
「それでそのいい人達が仲悪いなんて」
「世の中はそうしたこともあるのよ」
「いい人達の間でも揉めたりするのね」
「相性もあってね」
それでというのです。
「そうなのね」
「そうよ、だからね」
それでというのです。
「このことはね」
「あるのね」
「そうなのね」
「だからね」
お母さんは私にさらに言いました。
「このことも覚えておいてね」
「いい人達同士でも仲が悪かったりするのね」
「そうよ、ただね」
「ただ?」
「千里の先輩とあの子の相性は最悪で」
その相性の悪さに加えてというのです。
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