第十四話 新しい道その十一
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にこりと笑ってだ。そのうえでだった。
千春と共にリアカーを動かしておばちゃん達の家に向かう。その中でだ。
千春がだ。こう希望に言ってきた。
「お別れも何もね」
「あっ、お母さんにだね」
「うん、行ってなかったね」
「そうだね。けれどね」
「別にいいよ」
もうだ。希望にとってそんなことはどうでもよくなっていた。それでこう行ったのである。
「あのお家には戻らないし」
「お父さんとお母さんには?」
「会わないよ」
「完全にお別れなんだね」
「向こうもそう思ってるしね」
両親にしてもだ。そうだというのだ。
「だからいいよ」
「そうね。それじゃあ」
「これで。あのお家ともお母さん達ともお別れだよ」
別れといってもだ。非常にさばさばした感じだった。完全に吹っ切れた感じだった。希望は前を見てそのうえで隣にいる千春に言うのだった。
「二度とね」
「それがいいね」
「いいよ。じゃあおばちゃんのお家に入ったら」
「どうするの?」
「何か食べる?」
新しい家に入り荷物を部屋に入れてからだというのだ。
「そうする?」
「食べるって?」
「おばちゃん達ってお菓子とか好きでね。他にはね」
「他にはどんなのが好きなの?あの人達って」
「ドライフルーツとか好きだよ」
「果物を乾燥させたのよね」
「そう。林檎とか杏とかね」
具体的な果物もだ。希望は話に出した。
「後は葡萄とか」
「干し葡萄?」
「そう、それとか胡桃とか好きだから」
「希望の大叔母さん達ってそういうのが好きなんだ」
「そうだよ。だからね」
「お家に入ったら一緒に」
「そう。おばちゃん達と一緒に食べよう」
希望がこう提案するとだ。千春は。
笑顔でその言葉を受けてだ。こう言った。
「有り難う。それじゃあね」
「千春ちゃんドライフルーツ好きなんだ」
「胡桃とかもね。大好きだよ」
「そうだったんだ。よかった」
「皆の生み出してくれたものだから」
だからだというのだ。
「だから好きだよ」
「皆が生み出したものだから?」
「花から果物になってね」
希望はこのことから話した。植物のことをだ。
「それが種になるから」
「ええと。だから?」
「うん。そうして皆が生み出したものだからね」
それでだというのだ。千春が言うには。
「好きだよ」
「皆がって」
「そうだよ。どうかしたの?」
「いや、別に」
千春の言う意味がどうにもわからなくだ。希望は首を捻った。しかしだ。
千春はその彼にだ。今度はこう言ってきたのだった。
「それでね」
「あっ、今度は何かな」
「大叔母さん達
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