第八幕その二
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「私の果樹園だけでなく」
「そうだけれど」
「外の世界ではですね」
「昔はね」
「何処でも食べられなかったんですね」
「他のものもね」
「じゃあアイスクリームもですか?」
カルロスは皆のお話を聞いて言いました。
「昔は」
「そんなのなかったわよ」
ドロシーはすぐに答えました。
「皆好きだけれど」
「そうですか」
「ええ、バナナだけでなくね」
「そうでしたか」
「オズの国ではアイスクリームも普通にあるわね」
「僕外の世界でもよく食べます」
カルロスの大好物の一つなのです。
「オズの国でも」
「そうよね、けれどね」
「昔はですか」
「私バナナだけでなくアイスもね」
「カンサスでは食べたことがなかったですか」
「そう、今は普通に食べているけれど」
ドロシーにしてもです。
「そうだったの」
「そうですか」
「だからバナナが普通に食べられて」
そしてというのです。
「アイスクリームもっていうのは」
「素晴らしいことですね」
「私もそう思ってるわ」
「そうですか」
「だからバナナを何本も食べられてね」
普通にというのです。
「私凄く嬉しく思っているの」
「そうなんですね」
「ええ、それとね」
「それと?」
「バナナはジュースにしてもいいわよね」
「あっ、バナナジュースですね」
カルロスは笑顔で応えました。
「確かに美味しいですね」
「そうよね」
「じゃあドロシーさんも」
「後で飲みたいわ」
「バナナジュースですか。ありますよ」
将軍がすぐに言ってきました。
「私も好きでよく造るので」
「そうなのね」
「ではお昼の時に」
「ご馳走になるわ」
「お昼ご飯と一緒に」
「そうさせてもらうわ」
ドロシーは将軍にも笑顔で応えました、そしてです。
皆でバナナを獲っていきました、それが終わった時にです。
ビリーナはふと耳を澄ましてこんなことを言いました。
「ここに誰か来るみたいよ」
「誰か?」
「ええ、何か凄く大きいね」
こう将軍に答えました。
「お空からね」
「お空から」
「ええ、来るわよ」
「お空からとなると」
そう聞いてです、将軍は言いました。
「鳥かしら」
「鳥にしては大きいわね」
ビリーナは将軍にこうも答えました。
「羽ばたきの音だと」
「鳥にしてはなの」
「臆病ライオン位の大きさがあるわ」
「僕となんだ」
その臆病ライオンが応えました。
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