第三章
[8]前話
アフリカ系の二人の男性が来たところでだった。
その二人と呼び止めてマルセラに紹介した。
「この人達が助けてくれたんです」
「ああ、あのことか」
「この子今はこっちにいるんだな」
アフリカ系の二人はマルセラ達のところに来ながら犬を見て言った。
「どうしたかと思ったら」
「駅員さんの家族になったんだな」
「こちらの人に名乗ってくれますか」
駅員は二人にマルセラを見つつ話した。
「今から」
「ああ、俺はフェルナンド=ガブリエル」
「弟のフェリペ=ガブリエルさ」
「サッカー場で働いてるんだ」
「それで今帰りさ」
「今サンパウロは冬ですが」
だからブラジルでも結構な寒さだ。
「お兄さんが切符売り場のところで寒さに震えていたレナートにです」
「シャツかけただけだぜ」
「俺はその光景をネットに出しただけだ」
「何でもないだろ」
「家族にしたのはあんただしな」
「それを身て私はこの子を助けましたから」
駅員はレナートを見つつ兄弟に話した、彼もアフリカ系だが二人よりも小柄だ。
「ですからはじめはです」
「俺達か」
「そう言うんだな」
「そうです」
「つまり皆さんがこの子を助けた」
マルセラはこう解釈した。
「そういうことですね」
「そうなりますね、では引っ越しが終わったら」
駅員が言ってきた。
「この子をです」
「お家に迎えて」
「楽しく暮らします」
「いや、帰りに来ていなかったからな」
犬にシャツをかけた兄が言った。
「心配していたけれどな」
「駅員さんに迎えられてほっとしたよ」
弟も言った。
「本当にな」
「そうだよな」
「そうですね、私もこのお話を見られて何よりです」
マルセラも笑顔で言った。
「皆さんのお陰で犬が幸せになって」
「そうですね」
「それならこんないいことはないよな」
「全くだよな」
「そう思います」
心からと言ってだった。
マルセラはメキシコに戻った、そして生きものを助ける活動を続けていった。そのうえで素晴らしいものを見ていった。
温もりを知った犬達 完
2021・6・26
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