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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(6)~タバル・ヒルの戦い(前)〜
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、後退しています!」
 
「なんてこった!前衛を見捨てたのか!」

 悲鳴を上げる側近達を尻目にラサン男爵はわめき散らしている。

「奴ら我々を見捨ておったか!!おのれぇ!なにがかつては元帥を出した家だ!!我が一族は恐れ多くも大帝よりラサン男爵の位をいただいた身じゃ!すなわち儂の家は大帝陛下以来の重臣であってかような親征帝に取り入った成り上がりの風下に立つ身分ではない!!その我が家門にかような狼藉を働くとは言語道断!この事直ちにグリンメルスハウゼン子爵閣下に掛け合うて直ちに皇帝陛下に奏上してていただく故、心しておれ!!!」

「男爵閣下!!ご指示を!!」
 男爵は幕僚たちに向かって口を開こうとし、快適な装甲服内の筈なのに干からびた唇を舐めた。

「退く、退くぞ‥‥そうだ、撤退だ、今すぐ!!」

「ゴルツ男爵の手勢は既に撤退しつつあります!閣下!後方突破の為に装備を捨てる御きょ――」

 侍従でもあった中尉は最期の言葉を言い終えることなく、倒れ伏した。
 ラサン男爵は何故侍従が倒れたのかを理解する前に思考がそれを行う臓腑ごと霧散した――指揮系統はこの瞬間に崩壊した――本人にとって二度とゴルツ男爵のことを罵ることはできない事の方が重要なのかもしれないが。

 ゼッフル粒子を伴わないアスターテ海兵コマンドの銃剣突撃は見事に成功、組織の質と事前準備の優位を活かした戦闘であった。
 

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