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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(6)~タバル・ヒルの戦い(前)〜
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ームってなぁ粒子の流れなんですわ、子爵閣下はこうしてクッキリと見えていらっしゃる、そうですな?」
「アッ‥‥」
「見えてるってことはね、粒子が反射してるんですわ、つまりビームが当たり、死ぬんですよ、わかりますか?」
ミシリ、と嫌な音を周囲の人間は幻聴した。もちろん本当に聞こえたわけではない。だがこの男がにこやかに年下の子爵の肩に乗せた手の動きがそれを”聴かせた”のだ。
「わっわかっわかっ‥‥」
子爵は自由の身になった後も立ち上がりもせず、ただ背もたれに身を預けながら息を荒げている。まるで首を絞められていたかのようだ。
沈黙が会議室に満ちる。先程まで罵り合っていた貴族達の視線を受け止めエルビング男爵はにたりと笑う。
「それじゃあお願いしますわ、陸戦監殿」
こうして帝国軍は当座の編成をようやく決定し、行動を開始した。
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タバル・ヒル、氷の山脈を縫うような坂である‥‥‥この地に築かれた前衛陣地を守るのは大夏天民国とアスターテの連合部隊、約5,800の兵達だ。
「航空隊より報告、敵兵力は予定通りの侵攻速度を保っております、あと30分ほどで交戦圏内です!」
基地オペレーターの報告にアスターテ連邦軍のクレーベル中佐はやれやれ、と肩をすくめる。船団国家アスターテ連邦共和国の海兵コマンド大隊を率いる俊英である。
『5万の兵力、実に9倍ときましたか。これはやり甲斐がありますなぁ、かの名高き”正墨旗”がおられるのであれば楽ができると思ったのですが』
どっしりと構えつつも苦笑するのはアブラハム啓典教が墨家会衆派を奉ずる大夏天民国において正墨旗軍第二旅“不抜”を率いるチェン・ツーチョン准将。
「名高き、はやめてくれ。ガラティエや常備軍のお歴々とて我々より血を流しているのだ」
クレーベルは肩をすくめるにとどめる。
伝統的に信仰心の厚い大夏天民国は兼愛交利と非攻を唱えているが、本土防衛の為に派遣される”バーラトの妹”ガラティエの義勇軍や避難船の警護に当たる”交戦星域の盟主”パランティア連合国宇宙軍と並び同盟常備軍と轡を並べる事も多い。
まぁともかく、だ。とチェン准将はディスプレイに表示されたマップに視線を向けた。
「築城についてはこれ以上は望めん、ヴァンフリートはさすがに良い仕事をしてくれた。後は我々次第だな」
これほどまでに念を入れた築城計画を持っているのは文字通りヴァンフリート将兵の執念によるものであった。
イゼルローン要塞攻略作戦という単語は自由惑星同盟国民の大半にとってそれだけ絶対的な牽引力を持つ言葉なのだ。とりわけ交戦星域に住まう者達にとっては――
「敵影を確認!敵影を確認しました!!」
『ご丁寧に地上
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