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猫とぬいぐるみ
第二章

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 猫の名前はボーになった、そうしてだった。
 保育器の中で無事に育った、そして外に出していい段階になって施設の他の子猫達と同じ場所に入れられた。すると。
「ニャ〜〜ン」
「ニャン?」
「ニャ〜〜ン」
 キジトラの雄猫マックが早速近くに来た、するとボーもだった。
 すぐにマックと仲良くなり他の子猫達とも親しくなった、やがて子猫達は心ある人達に里親に迎えられていき。
 ボーはマックと一緒に心優しい老夫婦の家庭在宅ワークをしている孫と一緒に住んでいるその家庭に入った、その暫く後で。
 その孫がサラを自宅に案内して大きくなったボーとマックそして家に二匹が来る前からいる茶色と白の雌猫を見せて話した。
「この娘はジュディといいまして」
「そのですか」
「ボーもぬいぐるみが好きですが」 
 子猫達の中に入っても熊と牛のぬいぐるみは一緒でやはり牛のぬいぐるみが一番のお気に入りであるのだ。
「しかし」
「それでもですか」
「はい、この娘もでして」
「ニャア」
 孫は自分の横に座って鳴いたジュデイを見つつ話した、ボーとマックは彼女の横に子供の様に同じポーズでいる。
「ぬいぐるみが大好きなんです」
「そうですか」
「それでこの前破いて」
 そのぬいぐるみをというのだ。
「祖母が縫っていました」
「そんなことがあったんですね」
「はい」
 そうだったというのだ。
「この前」
「微笑ましい光景ですね」
「祖母は縫っている間ジュディはじっと見ていました」 
 祖母がぬいぐるみをなおす姿をというのだ。
「そうしていました」
「そうでしたか」
「それを見ていますと僕も」
 黒髪を少し伸ばしている黒い目の青年の彼も笑顔だった。
「微笑ましかったです、ですからこれからも」
「この子達とですか」
「一緒にいます、何があっても」
「離れませんか」
「そうさせてもらいます」 
 笑顔で話した、そして。
 彼はここで猫達にご飯をあげた、すると三匹共ご飯を美味しそうに食べて昼寝に入った。この時猫達はぬいぐるみに囲まれていた。ボーの横には熊のぬいぐるみがあり牛のそれを抱いてとても幸せそうに寝ていた。サラはそんな彼等を見てから笑顔で施設に帰った。


猫とぬいぐるみ   完


                   2021・6・25
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