第十四話 新しい道その五
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「それで心の親ね」
「親子は心でなるのよね」
「だったら。おばちゃん達が心の親だよ」
「そのお二人のところで楽しく過ごすのね」
「そうするよ。今日から」
「楽しくね。お家でもね」
「そうするから。ところでね」
ここでだ。希望は話題を変えてきた。その話題は。
「お酒のことだけれど」
「お酒って?」
「僕は日本酒が好きなんだ」
昨日祝賀会の時に真人に話したことをだ。希望は千春にそのまま話した。
「それがね。それで友井君はビールで」
「二人共好きなお酒が違うんだ」
「それはそれぞれなんだよ。けれどね」
「けれど?」
「日本酒って飲み過ぎると糖尿病になるじゃない」
このこともだ。希望はそのまま千春に話した。このことは今も頭から離れていない。だからこそ千春にもだ。ありのまま話したのである。
「それでビールは痛風になって」
「人間の病気ね」
「うん、それになるからね」
飲み過ぎるとだというのだ。
「だから。どうしようかって思って」
「お酒止めるの?」
「あっ、飲むこと自体は止めないよ」
禁酒や断酒、それはしないというのだ。
「けれどそれでもね」
「飲むお酒のこと?」
「日本酒もビールも。そうしたことがあるから」
「他のお酒にしようっていうのね」
「何がいいかな」
希望は千春、自分の前に座る彼女の目を見て問うた。
「飲むとしたらね。何がいいかな」
「そうね。だったらね」
千春も希望の言葉を受けて答えた。その返答は。
「葡萄かな」
「葡萄っていうと」
「そう、ワイン」
それだというのだ。
「それはどうかな」
「ワインなんだ」
「ワインは身体にいいよ」
「ああ、そうらしいね」
「糖尿病とか痛風の心配もないから」
「じゃあそれかな」
「飲むのならね」
それがいいとだ。千春は希望に話す。
「ワインが一番いいよ」
「そうなんだ。じゃあ今度からそっちにしようかな」
希望も千春の話を受けて言った。
「これからは」
「そうしたらどうかな」
「そうだね。僕も聞いたことがあるよ」
「ワインが身体にいいって?」
「うん、あるよ」
ワインのことはだ。彼もだというのだ。
「じゃあ。これからはね」
「ワイン飲むのね」
「気障な感じがするけれどね」
ワインは即ち洒落ているというイメージからだ。希望はこうも言ったのである。
それで照れ臭そうに笑ってだ。こう言ったのである。
「けれど。身体にいいのなら」
「あっ、ワインはね」
「ワインはって?」
「気障じゃないよ」
千春は微笑んでワインのそうしたところは否定した。
「全
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