第十四話 新しい道その四
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「そうしませんか」
「お酒を」
「飲み過ぎ自体がよくないですが」
その飲む酒も注意しようかというのだ。
「ですが。ビールも日本酒もそうした問題がありますから」
「それもそうかな。けれど」
「どのお酒を飲むかですよね」
「難しいね。何がいいかな」
「ううん、少し考えてみますか」
「そうしようか」
こうした話もしたのだった。乾杯の中でだ。
何はともあれ二人は希望の門出を祝った。そして両親に言ってもだった。
希望はその結果を自分のクラスで共にいる千春に話した。その結果は。
「出て行っていいってさ」
「そう言ってくれたの」
「うん、その分食い扶持が減るって言ってね」
「それだけ?」
「それだけだよ」
両親はだ。そう言っただけだったのだ。
「本当にそれで終わってね」
「大叔母さん達のお家に行っても」
「二度と帰るなとも言われたよ」
「それが親の言葉なの?」
「そういう親なんだよ。僕の生みの親はね」
その二人はそうだというのだ。
「けれど。それでもね」
「大叔母さん達は違うよね」
「両親と話した後携帯で連絡したらね」
「いいって言ってくれたの」
「お小遣いも携帯のお金も出してくれるって言ってくれたよ」
そこまでだ。二人は面倒を見てくれるというのだ。
「学費も食費も心配ないってね」
「本当に親になってくれるのね」
「そうなんだ。嬉しいよ」
ほっとした笑みにもなってだ。希望は述べた。
「あの二人がいてくれてね」
「そうよね。それじゃあね」
「今日から引越しの準備に入るよ」
希望は真面目な顔から微笑になってわざわざ自分の席から椅子を持って来て自分の前に座っている千春に対して答えたのだった。
「そうするよ」
「希望一人で大丈夫?」
「業者さん頼んだから」
引越しのだ。それだというのだ。
「おばちゃん達が頼んでくれたんだ」
「そうしてくれたのね」
「何から何までね。してくれてるよ」
希望はおばちゃんとぽぽちゃんに心から感謝の念を感じていた。
「おばちゃん達こそ僕の親だよ」
「お祖母ちゃん達じゃなくて?」
「ううん、もっとね」
「近いのね」
「うん、二人も僕をそう思ってくれてるし」
孫の様な存在ではなくだ。そちらだというのだ。
「だからね。子供としてね」
「あのお家に入るのね」
「これからはあの家が僕の家なんだね」
心から喜んでいる顔だった。
「有り難いよ。それじゃあね」
「うん、じゃあね」
「今日からあのお家に入るから」
「あのお家だとプールも近いよね」
いつも二人で通って泳いでいるだ。そのプールもだというのだ。
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