第110話 遼西の雄 前編
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ん。我らは劉将軍に恭順の意を示しております。ですが、我らはあなた様に隷属するつもりも毛頭ございません」
頓は私に敢然と言い放ちました。
「隷属はしない」ですか・・・・・・。
もとより隷属させる気など毛頭ないです。
「ならば、私の幕下に加われと申したら丘力居はどう応える?」
腹を割って話した方がいいでしょう。
「それはどういう意味でしょう」
頓は微笑みを讃え応えました。
「そのままの意味だ。私の臣下となれということだ。さすれば、遼東の蘇僕延を討ち果たした暁には丘力居を遼東郡の大守に任じてやろう。悪い話ではないだろう。お前達は晴れて本拠地を持つことが叶う。ただし、私の配下としてだがな」
「それは真にございますか?」
頓は私を半信半疑の表情で見ました。
冥琳を横目で見るとただ私の話を聞いていました。
反論はしないということでしょう。
後で、何か愚痴を言われるかもしれないですけど。
「嘘は言わぬ。返事を聞かせよ」
「私のみで判断できませぬが、そのお話が本当であれば、我が主は喜んで聞き入れると存じます。急ぎ、部下を主の元に送ってもよろしいでしょうか?」
頓は私の申し入れに困惑した表情しながらも、私に丘力居へ連絡を取る許しを求めてきました。
「構わない。できるだけ、急いだ方がいいぞ。右北平に丘力居が居るなら、我が友、公孫賛がお前達に気づき行動する可能性がある。彼女はお前達を根絶やしにすること以外に頭にない。大守の話は我らとの交戦がないことが条件とする。一度でも交戦すれば、この話は無かったことにするしかない」
丘力居と公孫賛が一度でも交戦すれば、彼らの降伏条件など飲めません。
大守の話も無かったことにするしかありません。
「畏まりました」
頓は頷くと部下の1人に声を掛け、送り出そうとしました。
「待て、私の部下も連れて行け。何かあれば戦闘の回避の助けになるだろう。泉、瑛千、私の使者として丘力居の元に向ってくれ。今から急いで文を書く。それを丘力居に渡してくれ」
私は頓に声を掛け、泉、瑛千も一緒に行かせるように言いました。
「正宗様、畏まりました」
「劉将軍、ご配慮痛み入ります」
頓は頭を下げて言いました。
「構わない。無用な戦はしないに越したことはない」
私は衛兵に声を掛け、直ぐに文をしたためました。
烏桓族の1人と一緒に泉、瑛千が私の文を預
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