第110話 遼西の雄 前編
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きゅうりききょ))の勢力は五千。
対して私達は白蓮と合流したら六万弱、遠征による兵の疲労はありますが数の上では私達が優位であることは変わりません。
我が軍に奇襲を行うにしても前回の私の用兵を鑑みれば、用心深い私が彼らの策に嵌る可能性は低いです。
ですが、それを理解するだけの知恵者が丘力居の元に入ればの話です。
そのような者が入れば、遼西の烏桓族が難楼と同じ末路を辿るのことは目に見えています。
ならば、出来るだけ好条件での降伏を望むはず。
それには一線交える前が一番でしょう。
「そのような恐れ多いことなど考えもいたしません。我らは劉将軍の武勇とあなた様に付き従う兵の精強さ感服し、抵抗するだけ無駄と考えただけにございます。劉将軍、どうか我らにご寛大な処分をお願いいたします。ですが、我らの言葉を信じれないのは当然のことです。先ほど申しました通り、その証に私を献上品としてお納めください。私は丘力居の従姉妹にございます。丘力居に一度叛意あれば、この私を如何様にも扱いください」
頓は私を真っ直ぐに見据え、言葉に淀みなく言いました。
「お前が献上品なのか?」
私は頓に素っ頓狂な声で言いをしました。
「はい、その通りにございます」
ありえない。
なんでこんなことになったのです。
難楼の一件で私は女好きの武将とレッテルを張られているのではないでしょうね。
頓が献上品を持ってきたというのに何もそれらしき物を持っていないのでおかしいなと思っていました。
真逆、使者自身が献上品とは想像もつきませんでした。
多分、彼女達は強行軍にここに向ってきたはず。
降伏の証に嵩張った物を持って、敵陣に向うなど自殺行為です。
使者を降伏の証の献上品とすれば、確かに妙案ではあります。
しかし、その証に自分の従姉妹を差し出すとは丘力居が本気である証と言えます。
私はこのような大胆な真似を即座に判断できる丘力居という人物に一度合ってみたくなりました。
判断するのに迷った私は横目で冥琳を見ました。
すると彼女は頷きました。
あれは受け入れろということでしょうね。
私は目で「断ってもいいか?」と訴えるように冥琳を見ました。
冥琳は目を伏せ、顔を左右に振りました。
「丘力居の降伏の意思はよくわかった。 いいだろう。遼西の烏桓族の降伏を認める。降伏の条件は追って沙汰する」
「劉将軍、ご無礼を承知で申し上げます。降伏の条件はこの場でお示しいただけませんでしょうか」
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