提督と艦娘とスイーツと・EX7
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
〜雷:クリームソーダ〜
「あ、ホラ司令官!鼻の頭にアイス付いてるわよ?」
「ん、あぁすまん」
テーブルの向かいに座った雷が、身を乗り出してハンカチで拭いてくる。
「まったく、いつまでもお子様なのね」
「あ〜、雷?」
「なになに?どうしたの司令官?」
「俺の世話を焼くのもいいが……もう少し落ち着いて飲んだらどうだ?」
「それは司令官が世話が焼けるのが悪いんじゃない!」
「そうかぁ?」
別に雷が拭かなくても、『鼻の頭にアイス付いてる』と指摘すればいいだけの話だと思うんだが。俺だってハンカチ位は持ってるしな。
「とにかく!司令官は手のかかる人って事よ」
「へいへい、もうそれでいいよ……」
いきなり執務室に押し掛けて来て、『クリームソーダが飲みたいわ!』と元気一杯に宣言するのもかなり面倒な人間の類いだと思うんだが。
「それにしても……」
「ん、どした?」
「何で司令官のクリームソーダは緑じゃないの」
「いや、そもそもクリームソーダ=緑って認識が間違いだからな?」
「え、そうなの?」
そもそもクリームソーダってのは、『炭酸飲料にアイスクリームもしくはソフトクリームを乗せた(フロート)物』っていうのが定義であって、緑色のサイダー……つまりはメロンソーダにアイスの乗った物=クリームソーダというのは正確ではない。
「更に言うならそれは『日本の』クリームソーダだからな」
「えっ、世界的にクリームソーダってコレじゃないの!?」
「あぁ。世界的にクリームソーダってのはバニラとかでクリームの様な風味を付けた炭酸飲料の事らしくてな。しかもよく使われるのはコーラかルートビアらしい」
ルートビア、と聞いて雷の顔が歪む。マズい物を食べた時にしそうなウェッて顔だ。ルートビアを知らない人の為に説明すると、メンソールの風味と甘味の強い炭酸飲料だ。俺も飲んだ事があるが……味は『飲むサロンパス』って表現がピタリと嵌まる。あの喉を通り抜けていくメンソールのスースーする感じと、鼻に猛攻撃を仕掛けてくる湿布臭さがクセになるって奴もいるらしいが、俺には無理だった。
「アレにバニラの香りを加えるの?うわぁ……」
「更なる悲劇の予感しかしないだろ?」
好きな奴はホントに好きらしいんだけどな、アレ。
「でもやっぱり、クリームソーダはこの形が美味しいと思うわ!」
雷はあくまでもメロンクリームソーダが一番だと言いたいらしい。まぁ、大体の店で『クリームソーダ』っていうとメロンクリームソーダが基本だもんな。やっぱこれが一番美味いからなんだろうか?
「確かにな。このどぎつい緑色のソーダに、砕いた氷、その上にアイスク
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ