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レーヴァティン
第二百八話 ライン川へその十

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「この浮島でもそうだろ」
「左様ですね」
「我々はこれまでコンスタンティノープルも攻め落としてきました」
「あの街も難攻不落でした」
「そう言われていました」
「そうだろ、この要塞は対空も整ってるな」
 こちらも堅固だというのだ。
「そうだな」
「左様ですね」
「そこからも攻めにくいですね」
「空からも」
「左様ですね」
「けれどな」
 それでもとだ、久井は今自分達がいる本陣の天幕の中に置かれている卓の上の要塞の地図を観つつ言った。
「この要塞北東の部分がな」
「はいそこはどうもですね」
「対空設備が弱いですね」
「他の守りは相変わらずですが」
「北東だけは」
「空への備えが弱いです」
「そうだな、だからな」 
 それ故にというのだ。
「ここはな」
「はい、そこからですね」
「攻めますね」
「それも空から」
「そうしますね」
「ああ、俺達は空船も多い」
 その所有数それに質も他の国を遥かに凌駕している。
「だったらな」
「それならですね」
「その空船を使って」
「そしてですね」
「北東から攻める」
「そうしますね」
「ああ、これで攻め落とす。ただな」
 久志はここで苦い顔になった、そうしてこうも言った。
「今その空船はな」
「はい、整備中です」
「ミュンヘンにおいて」
「そうしていてです」
「今すぐには動けません」
「整備が終わるまではな」
 それまではというのだ。
「動けないな」
「左様ですね」
「この要塞を攻められないですね」
「まだ」
「それは無理ですね」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「城攻めまで周りをな」
「攻めていき」
「そうしてですね」
「掌握してきますね」
「この周りを」
「それで整備が終わったらな」
 その時にというのだ。
「攻めるな」
「わかりました」
「それではです」
「空船の整備が整うまで他の街や村の掌握を進めましょう」
「そしてですね」
「ルールの方にもな」
 そちらにも向けてというのだ。
「勢力を拡大させますね」
「そしてハンブルグにもですね」
「兵を進めますね」
「そうしますね」
「ああ」
 実際にというのだ。
「それまではな」
「休むことないですね」
「要塞を攻め落とせなくても」
「他のことをしていきますね」
「何か休むってな」
 久志はここでは苦笑いで述べた。
「俺は出来ないな」
「他の十二人の方もですね」
「左様ですね」
「睡眠は摂られても」
「それでもですね」
「ああ、何かが整うまで他のことをしないってのはな」
 そうしたことはというのだ。
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