第二章
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「これまでよりずっと楽に動けるから」
「だからだね」
「それをプレゼントするわ」
その猫の車椅子は注文されていた、そして。
それが届くとすぐにだった、シェリルはハーパーにプレゼントした。するとハーパーはこれまでが嘘の様に元気に動き回り。
「ニャンニャン」
「ワン」
「ワオン」
とても明るくなった、その彼にシャリーとシビルはよかったねという様な声をかけ。
シンダーは自分のところに来た彼の顔を優しく舐めた、そして動き疲れた彼を自分の腹に置いて一緒に寝た。
そのシャノンのところにカナダで活動をしている人が来た、見れば茶色のふさふさとした毛の雄猫が一緒だったが。
両方の前足と尻尾がない、その人ショウコ=カシマ日系人で黒髪と黒い目が印象的な彼女はシャノンに話した。
「この子がレックスというんですが」
「足と尻尾がですね」
「はい、生後半年で冬に外に出て」
そうしてというのだ。
「お池に落ちて」
「凍傷で、ですか」
「切り取ってしまいました」
「そうですか」
「ですが普通にです」
尻尾と両方の前足が途中からなくてもというのだ。
「元気に動いてくれています」
「そうですね」
「ニャア〜〜〜」
見れば実際に元気に二人の傍でじゃれている、その動きは五体満足な猫と全く変わりがない位である。
「元気な子ですね」
「この子が頑張りまして」
「いえ、ご家族がおられたからですよ」
シャノンはハーパーと自分達特にシンダーのことを思い出しながら話した。
「だからです」
「レックスは元気になったんですか」
「そのままでは。何もしなくては生きていけません」
とてもというのだ。
「前でも後ろでも足が両方共なかったり動かないなら」
「それならですか」
「そうなる様に出来たのは」
まさにというのだ。
「皆さんがおられたからです」
「そうですか」
「うちの子も下半身がそうですから」
ここでハーパーの話もした、彼と家族のことを詳しく話してからあらためて言った。
「そうした子でも」
「家族がいるからですか」
「うちはシンダーがいますし」
「そういえばうちも息子が特に面倒を見てくれています」
「そうですね、ですから」
「レックスも元気ですね」
「障害があっても」
それでもというのだ。
「人も生きものも生きていけます」
「そして生きる為にはですね」
「誰かが手を差し伸べる」
「そのことが大事ですね」
「それが出来る状況ですること」
まさにそれがというのだ。
「私達のするべきことですね」
「うちの息子、そしてシンダーちゃんにしても」
「そう思います、ではこれからも」
「はい、お互いにですね」
「家族を大事にしていきましょう」
ハーパーもレックスもとだ、こう話し
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