第二章
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「捨て犬かな」
「迷い犬かも知れないわね」
「ブルーみたいにか」
「ええ、それじゃあね」
「保護センターに連絡するか」
「中国いもそうした場所あるわね」
「ありますよね」
ここで二人は同行しているガイドに問うた。
「そうした場所も」
「はい、あります」
ガイドは即座に答えた。
「それじゃあですね」
「はい、連絡したいですが」
「中国語でのやり取りになりますので」
ガイドはバットに笑って話した。
「ですから」
「それで、ですね」
「お任せ下さい」
「全身ボロボロで傷だらけで」
妻は犬の近くに来て言った、年齢は一歳位で雌だった。
「足も引き摺っていて」
「酷いことになっているな」
「ええ、だからね」
「余計にな」
「ちゃんと保護しないといけないわ」
こう話してだった。
犬はセンターに連絡が行ってだった。
すぐに保護された、するとここで。
犬を見た中年の細い目でやや小柄な男がガイドに行った。
「おい、この子は」
「ご存知ですか?」
「ご存知も何もうちの子だよ」
こう言うのだった、傍にはロジャーとレナータもいるが中国語がわからない二人は彼等の中国語のやり取りはわからない。
「今センターに保護したら連絡してくれって言いに来たところだよ」
「そうだったんですか」
「新しい家が建つまでの間友達の家に預けたらホームシックかその家を出て」
そうしてというのだ。
「皆で探してたんだけれどな」
「今ですか」
「こうしてだよ」
まさにというのだ。
「会ったんだよ」
「それはまた奇遇ですね」
「ピンヤン、ピンヤンだな」
「ワンワン」
犬は名前を呼ばれて男に顔を向けた、そして。
弱っているがそれでも嬉しそうに彼の顔を見つつ尻尾を振った。それで誰もがわかった。
ビンヤンは飼い主のところに戻った、だが怪我をしているので治療を受けて。
夫婦は旅行から帰ってからガイドに連絡を受けた。
「昨日犬は退院しまして」
「そうしてですか」
「はい、あの人のお家に入りました」
そうなったというのだ。
「新しく建てられたお家に」
「それは何よりですね」
夫が電話で応えた。
「本当に」
「全くです」
「まさか」
「まさか?」
「はい、うちでもそうしたことがあったので。実は」
ブルーのことを話した、そのうえでガイドに話した。
「そうしたことがあるなんて」
「奇遇ですね」
「全くです、ですがどちらの子も助かって」
「何よりですね」
「本当に」
こうした話をした、そして。
夫は電話が終わると妻と共にブルーのところに行って一緒に遊んだ、家族は新しい家でも幸せだった。
会いたい家族との再会 完
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