大変! お姉ちゃんが来る!
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ホにも同じ写真が送られており、真剣な声色とは逆に顔は随分と緩んでいた。
「迷子って……ココアちゃん、俺たちより見滝原に来るの半年早かったんでしょ? 流石に……」
ハルトがそう弁明しているうちに、次々と写真が更新されていく。その周囲の風景を見れば、彼女がウサギを追って、どんどん駅から離れていくのが判る。
ハルトは「仕方ない……」とスマホをしまった。
「俺が送っていくよ。見滝原中央駅に行けばいいでしょ?」
「多分ね」
可奈美の言葉を聞いて、ハルトは上の自室よりヘルメットを取ってくる。
そのままラビットハウスの入り口に手をかけて、言った。
「それじゃ。行ってくるね」
「いってらー」
「お気をつけて」
可奈美とチノの言葉を背に受けながら、ハルトは店を出た。
ヘルメットを被りながら、ラビットハウスの裏手に止めてあるバイク、マシンウィンガーに跨る。
「さてと。写真によれば……こっちに行けば、ココアちゃんに追いつくかな」
ハルトはそう言いながらアクセルを入れた。
その時。
「_______!」
まさに今進もうとした瞬間、赤い鳥がハルトの眼前に現れる。
プラスチック製の体を、ハルトが「ガルーダ?」と認識する。
「________!」
ガルーダは、興奮したように騒ぎ立てる。
その様子を見たハルトは、少しげんなりした様子で項垂れた。
「新年早々、ファントムか……」
ハルトはマシンウィンガーの方角を別に切り替える。見滝原中央駅の方角でもココアの写真がある方向でもなく、ガルーダが導く方向へ。
ココアやチノの知らない、ハルトのもう一つの顔が、その腰で光を反射した。
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