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ソードアート・オンライン〜アインクラッド・アクセル〜
アインクラッド
〜剣の世界〜 2
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で繋がる箇所は、おそらく身長ぐらいだろう。自身の肉体を動かすこのゲームで、身体を違和感なく動かすために、あえて現実の肉体と同じ身長でアバターを形成したのだろう。そのことを考えていなかったであろう大多数のプレイヤー達は一様に、その縦横比も変わってしまっている。
 レンヤ自身も、その事を懸念していたため身長に変化はないが、だからこそ生まれる自身と他人の差異が気になった。
 「・・・レンヤは、キャリブレーションをやったの覚えてる?」
 ―――キャリブレーション
 《ナーヴギア》初回起動時に、自身の身体がどの様に動くのか、どれだけ動かせば身体のどこに当たるのか、そういった体表面感覚を再現するための測定作業だ。これは即ち、《ナーヴギア》に自身の肉体データーを保存する作業に他ならない。
 「あぁ・・・なるほど。だからこその、この再現度か」
 「たぶん、ね・・・」
 ここまでのものを見せられては、これが現実ではないなどと否定することは到底出来ない。ヒットポイントがゼロになったその瞬間、その肉体は砕け散り、脳が焼かれ、仮想と現実の双方で、嘘偽りのない真実の“死”を迎える事となる。
 その事を、レンヤへの説明ではっきりとわかってしまったユーリーは、自身がかすかに震えていることにようやく気づいた。
 「・・・でも・・・・・・でも、なんで・・・こんなこと・・・・・・・?」
 その言葉に対しての答えを、レンヤは持ってはいなかった。当然、その他のプレイヤーも同様だ。おそらくこの広場の中で、その答えを持っているのは、ただ一人。
 「・・・どうせ今すぐ、あいつが説明してくれるはずだ」
 その人物を睨み付けるように次層の天井を見上げる。まるでそれに呼応するかのように、睨み付けられた赤ローブ―――茅場晶彦は言葉を紡ぐ。
 『諸君は今、なぜ、と思っているだろう。なぜ私は―――SAO及び《ナーヴギア》開発者の茅場晶彦はこんなことをしたのか? これは大規模なテロなのか? あるいは身代金目的の誘拐事件なのか? と』
 その可能性を考えたわけではないだろうが、そのどれもがしっくりこない。
 大規模テロ―――そもそも日本人である茅場晶彦が、何の目的をもって同じ日本人を相手にテロを行う必要があるのか? ましてやその大半は、軍事訓練はおろか武道の心得を学んでいるかも怪しい者たちばかりだ。
 身代金目当ての誘拐―――あらゆる事件のなかで、【身代金目当ての誘拐】ほど成功率の低い犯罪はない。身代金を受け取った際、いったいどのようにして逃れるというのか? 辺りにはおそらく大多数の警察がひしめく。姿を現さなくても、その場には幾人とも知れない警察の影がある可能性は極めて高い。“警察に通報すれば人質は殺す”などというのも、犯人側には何の特にもならない。殺してしまえば、当然身代金の受け渡しな
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