暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜アインクラッド・アクセル〜
アインクラッド
〜剣の世界〜 2
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葉は、今この瞬間でもっとも聞きたくないであろう報告。
 『ちなみに現時点で、プレイヤーの家族友人等が警告を無視して《ナーヴギア》の強制解除を試みた例が少なからずあり、その結果』
 最早嫌な予感しかしないその次の言葉を、ただただ事務的に告げる赤ローブ。
 『―――残念ながら、すでに二百十三名のプレイヤーが、《アインクラッド》及び現実世界からも永久退場している』
 ・・・この時点で、彼がもたらすあらゆる情報の意味を理解できる思考を残したプレイヤーは存在しなくなっていた。誰も彼もが、信じられない、あるいは信じたくないとそれらの情報の理解を拒んだ。
 それも無理はないだろう。既にこの場に集まるプレイヤーは一万人を切っているのだ。ログイン以降、出会ったプレイヤーの何人かは最早この世界、そして現実世界のどこにも存在しないのだ。その中には、パーティを組んだ者や、現実世界からの知人もいたかも知れないのだから。
 『諸君が、向こう側に置いてきた肉体を心配する必要はない。現在、あらゆるテレビ、ラジオ、ネットメディアはこの状況を、多数の死者が出ていることも含め、繰り返し報道している』
 そういった彼の周りに、おそらく現実世界で報道されているであろう内容を映したウィンドウが次々と出現した。そのどれもが、正しく茅場晶彦の言葉通り、この《ソードアート・オンライン》にログインしているプレイヤーの何名かが既に死亡している事を流していた。
 この映像が、全て彼が作り出した偽物である可能性も否定できないが、そのような雰囲気がこの映像からは一切感じられなかった。
 特にレンヤの心に残ったのは、一軒家の前で涙を流す母と娘のシーン。おそらく、この場の一万を切ってしまったプレイヤー達にも、同じものが去来しているだろう。
 辺りには野次馬と思しき人だかりができ、それを阻むように存在するパトカー救急車、警察達。それらに囲まれ、涙を流す中学生くらいの少女と、その少女をいたわるように抱き寄せ、しかし共に涙を流す母親であろう女性。
 これが仮に作られたものであり、そこに映る人物達も全て役者であるなら、少なくともこの親子は間違いなく超一流、十年いや、百年に一人として現れるか怪しいほどに優れた名女優に違いない。たったのワンシーンで、ほぼ全てのプレイヤーの心を掴み動かしたのだから。もちろん、悪い意味で・・・
 『諸君の《ナーヴギア》が強引に除装される危険はすでに低くなっていると言ってよかろう。今後、諸君の現実の体は、《ナーヴギア》を装着したまま二時間の回線切断猶予時間のうちに病院その他の施設へと搬送され、厳重な介護体制のもとに置かれるはずだ』
 この説明も、やはりありがたいものではない。彼らの望みは等しく、このゲームからの脱出に他ならないのだから。
 『諸君には、安心して・・・・・・ゲーム
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